20130711 悪徳の魅力

2013年7月11日(木)

1エジプトポンド14円
泊まっている宿でまた盗難があった。数人が被害にあった。現金やiPhoneが盗まれたという。
何度も盗難を耳にしてきたが、置きっ放しが原因である。ドミトリーや椅子に置きっ放しにする、みんなを信用して。私自身も旅の中で、現金1000ドルを取られている。
そして、犯人は必ず捕まらない。現地人や内部犯の可能性を疑うが、証拠がないし捜査をするということをしない。警察は協力的ではないし、見つける気もない。アリバイや証拠探しなどを厳密にやれば、見つかるかもしれないが、漫画のような展開は起きない。

その上で、窃盗は大小関わらず犯罪だが、極めて小説的な感覚というか、悪徳の魅力を感じてしまう。盗んだあと、自分や周りの心理状況、関係性の変化をごく客観的に見つめ、悪徳を行ったという事実に酔いしれる。

旅をしていると、非日常が日常になり、より強い刺激を求める心が湧いてしまう。綺麗な景色、美味しいローカルフード、未体験の言葉と文化、それらに慣れてしまい驚かなくなってくる。

欲張りな人間の心は、次の刺激を本能的に欲しいと訴えてくる。理性で抑えるが、犯罪に一度踏み出したら、転がるようにより強い刺激を求めてしまうだろう。日本では強く理性が働くが、海外だと有耶無耶になる可能性が高いので、トリガーをはずしてしまう人が多いかもしれない。

悪徳の魅力を賞しているわけではないが、落ちてしまう気持ちがわからなくはない。彼の事情を私は知らない。単純にお金がないから窃盗をしているのかもしれないし、私が書いたような動機の可能性もあるし、先天的に盗みが癖かもしれない。

いくつかの点で、外部犯であることはすぐに否定できた。そして、今夜は彼と悪徳の魅力について話そうと思う。思いも寄らない彼の切り口を期待しているし、良い結果に誘導して終わらせようと思う考えもある。

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