「投資って難しそう」「資産運用はお金持ちがやるもの」。
貯金がわりに投資してる人も多いと思います。
でも、斗比主閲子さんの『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』は、そんな思い込みをやさしく壊してくれる、親しみやすくて力強い一冊でした。
著者は“ふつう”の会社員。それでも資産は2億円に
この本の最大の魅力は、著者が特別なスキルや地位を持った人ではなく、どこにでもいる“ふつう”の会社員だったという点です。
「ふつうの人が、地道に勉強し、着実に資産形成していく」。
そのリアルなストーリーに、読者は強い共感と勇気をもらえます。
著者が選んだ投資法──インデックス投資と節約の力
本書では、著者が選んだ投資手法としてインデックス投資が紹介されています。具体的には、「eMAXIS Slimシリーズ」などの低コストな投資信託を中心に、長期・積立・分散を意識した運用スタイルです。
また、著者は「支出を減らす」ことの大切さも語っています。派手な節約術ではなく、ふるさと納税の活用や、携帯料金の見直しなど、誰でもすぐに実践できる方法が具体的に書かれている点が参考になります。
印象的だった3つの学び
本書を通じて、特に印象に残った学びを3つ紹介します。
- 投資は「知ること」から始まる
著者は、まず「自分の年金額がいくらになるのか」を調べるところからスタートしています。そこから将来の必要資金を逆算し、「自分にとって必要な利回り」を考えるという地に足のついた方法論が印象的でした。 - 一気に儲けようとしない
著者は「資産を2億円にするのに10年以上かかっている」と明言しています。投資はマラソンのようなもので、短期的な上下に一喜一憂せず、時間を味方につけることが大事だと説いています。 - 自分の「軸」を持つ
著者はSNSなどの情報に翻弄されず、自分で判断することを大切にしています。たとえば、リスク資産は全体の資産の中で何%に抑えるかなど、自分のルールを決めて運用する姿勢が学びになります。
感情にも寄り添う語り口
斗比主さんの文章は、ユーモアがありつつもとても誠実です。
時に失敗談も交えながら、「あなたにもできるよ」とやさしく語りかけてくれます。
たとえば、過去に個別株に手を出して痛い目にあった経験も赤裸々に語っており、読み手の不安に寄り添ってくれるのです。
これから投資を始めたい人へのアドバイス
本書を読んで「自分も投資を始めてみようかな」と思った方に向けて、私自身が受け取ったアドバイスをまとめてみました。
アドバイス | 具体的な行動 |
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まずは学ぶ | NISAやiDeCoの制度を調べる。著者が参考にした『つみたてNISAはこの7本から選びなさい』などを読む。 |
少額から始める | 月1,000円の積立投資からスタートしてみる。著者も最初は1万円の積立から始めたそうです。 |
続ける仕組みを作る | 自動積立設定をして、感情に左右されず継続できる環境を整える。 |
未来の自分のために、今できることを
この本は、「誰にでもチャンスはある」「投資は才能ではなく、習慣と知識で成果が出せる」ということを教えてくれます。
「ふつうの会社員だった自分にもできたのだから、あなたにもきっとできる」
そんな著者の声が聞こえてくるようでした。
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