人生には、時として理由もなく大きな転機が訪れることがあります。
筆者にとってそれは、バーガーキング離れという形でやってきました。
バーガーキングを毎週5回食べていた日々
思えば、バーガーキングは長年の相棒でした。
ジューシーなパティ、どっしりとしたバンズ、ちょっとした背徳感。週5回は当然。もはや食事というより、生活の一部。
「今日はどのワッパーにする?」そんな自問自答も今は昔。
それが、ある日突然、「行かなくていいかも」という気持ちに変わったのです。
食べたい気持ちはある。けれど、足が向かない
バーガーキングへの愛が冷めたわけではありません。
むしろ今でも「美味しそうだな」と思います。しかし、わざわざ店へ行くエネルギーが湧かないのです。
一体どうして? 特別なきっかけは思い当たらない。困惑しながらも、自分でもこの変化を受け止めようとしています。
そして、パキスタン料理との運命的な出会い
代わりに新たな習慣が生まれました。
それが、パキスタン料理です。
理由はわかりません。ただ、気がつくと足は自然とパキスタン料理店に向かっていました。
パキスタン料理の魅力とは?
食べれば食べるほど、魅力に気づきます。
- 豆や野菜がふんだんに使われていて、体が喜ぶ。
- マトンやチキンのスパイシーな香りに癒される。
- 一皿の満足感がすごい。しかも1日1食で足りる!
- 初めて見る不思議なデザートたちが新鮮。
バスマティライスの香り、ロティ、奥深いカレー。まるで異国の旅をしているような気分になります。
豆知識:パキスタン料理はインド料理と似ていますが、より肉料理が豊富でスパイス使いも独特!ラッシー(ヨーグルトドリンク)と一緒に食べるとさらに美味しさ倍増です。
なぜ食の好みは突然変わるのか?科学的仮説を深掘り!
「バーガーキングへの情熱が消え、パキスタン料理にハマる」。
この不思議な現象について、科学的な視点から考えられる仮説をいくつか紹介します。
1. 栄養要求説──体が必要な栄養素を求めている
私たちの体は、無意識のうちに不足している栄養素を補おうとします。
例えば、パキスタン料理に多い豆類は、タンパク質と食物繊維が豊富です。また、スパイスに含まれる成分は、抗酸化作用や消化促進効果があるとされています。
長年ジャンク寄りの食事を続けた体が、「もっと自然で栄養価の高い食べ物を摂りたい!」とサインを送った可能性があるのです。
2. 腸内環境説──腸内細菌が食欲をコントロールしている
近年の研究では、腸内細菌が人間の食欲や嗜好に影響を与えることがわかっています。
ある種類の腸内細菌は、特定の食材(例えば豆類や発酵食品)を好み、それに合わせて脳に「これを食べたい」と信号を送るのです。
つまり、バーガーキング漬けの日々で変化した腸内環境が、ある日スイッチを切り替え、パキスタン料理のような腸に優しい食事を求めるようになったのかもしれません。
3. ドーパミン報酬説──「新しい快楽」を求める脳の働き
脳は新しい刺激に強い快感を覚える仕組みになっています。
これを「ノベルティ効果(novelty effect)」と呼びます。
長年同じバーガーキングの味に慣れた脳が、新しい味・香り・食感を求めて、パキスタン料理という「未知の快楽」に反応した可能性もあります。
豆知識:ドーパミンは、報酬や快楽に関与する神経伝達物質。新しい体験をするとドーパミンが放出され、幸福感が高まります。
4. 心理的リセット欲求説──無意識のリブート現象
人間は、変化やリセットを求める心理的な本能を持っています。
特に長期間同じことを続けると、どこかで「もう一度リフレッシュしたい」という無意識の欲求が働くことがあります。
食の嗜好も例外ではなく、特にコロナ禍以降は「自分を変えたい」という潜在的なニーズが高まっているという研究報告もあります。
5. 微細なトラウマ説──小さなきっかけが無意識に作用する
実は、人は些細な体験(例:ちょっとした胃もたれ、無意識の違和感)で、以前好きだった食べ物を避けるようになることがあります。
「特に思い当たる節はない」と感じても、知らないうちに小さなマイナス体験が積み重なり、バーガーキングに対するモチベーションが消えた可能性も考えられます。
体も心も「新しい自分」を求めている
こうして科学的な仮説を並べてみると、筆者の食の変化は決して偶然ではなかったのかもしれません。
体の声、腸内環境の変化、脳の報酬回路、心理的なリセット欲求。それらが絶妙に絡み合って、新しい食との出会いを引き寄せたのだと考えると、何だか楽しくなってきます。
「なぜか最近〇〇が食べたくなる」「急に△△をやめたくなる」、そんな時は自分の内側からのサインかもしれません。
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