2030年、世界戦争は起こるのか?かつてフォン・ノイマンが世界大戦を予期した「必然としての崩壊」

worldwar 暇つぶし

戦争とは何か。単に国家間の敵対ではありません。それは文明全体の構造的緊張が限界に達し、破綻と再編という形で表面化する現象です。

もしジョン・フォン・ノイマンが2025年を眺めていたら、彼はきっと「世界戦争はすでに始まっている」と答えたでしょう。ここでは、その思考様式を借りて、我戦争危機の全体像を描き出してみます。

「局地戦」は世界戦争の前兆にすぎない

現在、台湾、ウクライナ、中東、朝鮮半島など、複数の地域で軍事的緊張が高まっています。

しかしこれらは単なる局地戦ではなく、背後で全世界を巻き込む構造的変化が進んでいる兆候です。ノイマン的な視点では、これらを「局所的崩壊点」と捉えます。そして、これらが相互に影響し、臨界点を超えたとき、戦争は宣言されることなく始まるのです。

  • 2026〜2028年:台湾を巡る中台衝突。海上封鎖とサイバー戦から段階的侵攻へ移行する可能性。
  • 2025〜2027年:イスラエルとイランの代理戦争。ヒズボラやシリアを巻き込んだ多正面戦争に発展。

これらは「世界大戦」の触媒であり、引き金にすぎません。なぜなら真の戦争は、エネルギー、通貨、AI、政治体制といったより深層のシステムにおいてすでに進行中だからです。

「システム戦争」としての世界大戦

ノイマンは複雑系に対して鋭い洞察を持っていました。彼の視点では、現代のように複数のシステムが同時に加速度的に発展している社会は、やがて制御不能となり、自壊的な現象を引き起こします。それが現代においては「第三次世界大戦」という形で現れる可能性があるのです。

AIと量子技術の軍事利用が進む今、自律兵器やサイバー攻撃は人間の判断速度を超え、偶発的な衝突すら制御不可能になっています。通貨では、ドルの基軸体制が揺らぎ、BRICSやCBDCが新たな覇権を狙っています。水や電力といった資源も枯渇が近づき、AIが膨大な電力を消費することで新たな供給競争が始まっています。さらに、民主主義国家では分断が進み、内戦に近い状態が世界各地で常態化しています。

  • エネルギー:AIと脱炭素のダブル需要で逼迫。グリーン資源を巡る争奪戦が勃発。
  • 通貨:基軸通貨の多極化と信用不安によるグローバル金融システムの不安定化。
  • AI兵器:人間の制御を離れた軍事的暴走リスク。報復の自動化。
  • 政治体制:民主主義の制度疲労と独裁国家の外敵誘導による衝突誘発。

これらの要素が複合的に絡み合い、まるでチェス盤の上で複数のゲームが同時に進行しているような状況を生み出しています。そしてその全体が、ある一点で破局的に同期する瞬間、それは「戦争」と呼ばれるのです。

なぜ「2030年まで」と断言できるのか

技術、軍事、経済、政治、すべてのシステムにおいて、現在は指数関数的な変化が進んでいます。臨界点を迎えるのは時間の問題であり、その収束点が2030年前後に集中しているというだけの話なのです。

ジョン・フォン・ノイマンがかつて原爆開発に関与しながら、「人類は合理的なふりをして、最も非合理な選択をする」と語ったのは、決して皮肉ではなく冷厳な現実認識でした。現代の指導者たちは、情報にあふれ、選択肢を持ちながら、制度疲労と群衆心理の前に立ちすくんでいるのです。

もうすぐ自然発火する、なぜ発火するのか

いまや、戦争とは特定の国が起こすものではありません。人類全体のシステムが、技術の速度についていけなくなったときに「自然発火」する現象なのです。

もし2030年に世界戦争が起これば、それは誰かの過ちではなく、「誰も止めなかったこと」が原因になるでしょう。だからこそ問うべきは、「どこで起きるか」ではなく、「なぜこの構造が崩壊へ向かっているか」です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました