昔から一度は運転してみたいと思っていたクルマがあります。ランボルギーニ・アヴェンタドールです。購入する予定はもちろんありません。

それでも運転席に腰を下ろし、ステアリングを握った瞬間に生まれる緊張と高揚は、それだけで記憶に残る体験になりました。
試乗のきっかけと最初の高揚感
理由は単純で、特別な事情はありません。昔から一度は運転してみたかったのです。
シートに体を沈めた瞬間、長い間遠くに置いてきた夢が、ようやく手の届く場所に現れたように感じました。
視点の低さと街で浴びる視線

最初に意識するのは視点の低さです。見慣れた街並みが、まるで別の都市のように映ります。
段差や傾斜に気を配りながら進むうち、周囲の反応に気づきました。振り返る人、スマートフォンを構える人。その存在だけで街の空気が変わることを実感しました。
性能を試さなくても伝わる存在感
限界性能を引き出すような走りはしていません。
それでも速度を抑えた中での反応は軽く、操作に対する応答は鋭敏でした。低回転域から響くエンジン音は、背後に大きな余力を秘めていることを伝えてきます。燃費や実用性といった日常の物差しでは測れませんが、それも含めてアヴェンタドールの流儀だと感じました。
一生の思い出として残る試乗体験
短い時間ではありましたが、自分の操作でアヴェンタドールを動かしたという事実は強い手応えとなりました。
所有すること以上に、体験することに価値があると実感しました。浴びた視線や街の空気の変化は鮮明に残り、この体験は長く記憶に刻まれると思います。
豆知識: アヴェンタドールは2011年に発表されたV12自然吸気モデルで、6.5リッターエンジンを搭載しています。初期型でおよそ700PSを発揮し、0-100km/h加速は3秒を切る水準にあります。
アヴェンタドールの試乗

今回の試乗は、速さを誇るためではなく、憧れに現実の輪郭を与える体験でした。視点の低さがもたらす集中、街中で集まる視線、交通の空気をわずかに変える存在感。派手な走りをしなくても、この車の本質に触れるには十分でした。
買うことはできなくても、体験として持ち帰れる価値があると感じました。


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