【マクロトレンドの超やさしい読み方】金・原油・長期国債だけ見れば迷子になりにくい

マクロトレンドの読み方 株式

世界経済の話は、専門用語が多すぎて途中で頭が止まりがちですが、毎日ニュースを全部読む必要はありません。

世界の空気をざっくりつかむには、金・原油・長期国債の3つだけ読んでいきます。

当サイトでも、以下のページでマクロトレンド指標を確認できるようにしています。

世界経済のマクロトレンド
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金、原油、長期国債をどう見るのか?

初心者の方は、いきなり表やチャートはよくわからないと思うので、こちらだけで十分です。

3つの資源の上下の意味がわかってきたら表やチャートを見ていきます。

金、原油、国債の「長期(75日)」がそれぞれ上向きか下向きかです。上向きなら矢印が上、下向きなら矢印が下です。これで世界の空気が、だいたい4種類に分かれます。

  • 金↑ 原油↓ 国債↑なら、リスクオフ寄りで景気後退が心配されやすい形です。
  • 金↓ 原油↑ 国債↓なら、リスクオン寄りで景気が強いと見られやすい形です。
  • 金↑ 原油↑ 国債↓なら、インフレ再燃や物価上昇の圧が強いと見られやすい形です。
  • 金↓ 原油↓ 国債↑なら、景気は弱めでインフレ圧力が引いていると見られやすい形です。

この4つは万能な答えではありませんが、ニュースの洪水の中で迷子にならないための方針にはなります。

3つの資産が何を代表しやすいのか。

金は、安心が買われると上がりやすい。

金は、会社の株と違って倒産しません。国の通貨と違って発行主体の信用不安に直接は縛られません。そのため不安が増える局面で買われやすいという説明がよくあります。

ただし、金が常に安全という言い方は雑だと思っています。金は安全資産として扱われがちですが、いつも株と逆に動く保証はない、という注意は最初に入れておくべきです。

豆知識:金は不安で上がる場合もあれば、通貨の価値が薄まる心配で上がる場合もあります。つまり原因が違っても上がるので、金だけ見て断定するのは危険です。

原油は、景気の体温が上がると上がりやすいが、別の理由でも動く。

原油は、工場を動かす、運ぶ、作る、という活動に近いところで使われます。世界の経済活動と原油価格の関係は研究でも扱われています。

ですが、原油は景気だけで動きません。戦争、供給制限、産油国の政策、輸送の混乱でも動きます。つまり、原油が上がったから好景気とは決めつけないでください。上がった理由が需要なのか供給なのかで意味が変わります。

国債は、金利の鏡。価格と利回りは逆に動く。

国債は、ざっくり言うと国が借金するための紙です。重要なのは、国債の価格と利回りが逆に動くことです。

中央銀行や金融教育の資料でもこの逆の関係が説明されています。金利が上がる局面は、すでに出ている国債の魅力が相対的に下がるので価格が下がりやすい、という考え方です。逆に金利が下がる局面は価格が上がりやすい、ということになります。

長期75日を主役にする理由

毎日の値動きはノイズだらけです。今日は上がった、明日は下がった、で振り回されます。移動平均線は、そのノイズをならして大きな流れを見やすくするためのものです。

移動平均線は、短期5日は反応が速いのでだましも多いです。中期25日は調整に使いやすいです。長期75日は遅い代わりに、トレンドとしては落ち着きやすく、ノイズがあまり現れてきません。

金、原油、国債について、現在値が75日線より上か下かを見るだけです。上なら上向き、下なら下向きです。評価しているのが、上記で紹介しているページです。

中級者向け。4パターンを投資行動に落とすときの考え方。

パターン1:金↑ 原油↓ 国債↑。リスクオフ寄り。

この形は、不安が強い、もしくは景気の先行きが弱いと市場が感じている場面で出やすいです。中級者はここで、株を全部売るなど極端に走りがちですが、それは危険です。

やるなら、リスク量を減らす、現金比率を少し上げる、ヘッジを検討する、など段階を踏むべきです。さらに、同じ形でも理由が違う場合があります。例えば原油安が供給増で起きているなら景気後退とは限りません。

パターン2:金↓ 原油↑ 国債↓。リスクオン寄り。

この形は、景気が強め、インフレ圧力や金利上昇圧力が残る場面で出やすいです。株が強い局面と重なることもあります。

ただし国債↓は金利上昇を意味しやすいので、長期金利の上昇が株式のバリュエーションに効いてくる局面では、株が同時に強いとは限りません。つまり、リスクオンだから安心ではなく、金利という別のリスクが前に出る場合があります。

パターン3:金↑ 原油↑ 国債↓。インフレ再燃やスタグフレーション懸念。

この形は、物価上昇の圧が強いときに出やすいと説明されます。

中級者がここでやりがちなミスは、何でもインフレ銘柄に飛びつくことです。実際は、原油高が供給ショックの可能性もありますし、金高が不安由来で同時に起きる場合もあります。

対策としては、インフレ耐性と金利上昇耐性を分けて考える必要があります。例えば不動産やコモディティが強い場合もありますが、金利上昇が続くと別の痛みが出ます。

パターン4:金↓ 原油↓ 国債↑。景気減速とディスインフレ寄り。

この形は、インフレ圧力が落ち着き、金利低下が意識される場面で出やすいときです。

株にとっては金利低下が追い風になる場合もありますが、景気が弱いなら企業利益は別問題です。中級者はここで、金利低下だけを見て楽観しすぎることがあります。景気と金利は別の軸なので、両方を見るべきです。

100日相対パフォーマンスの見方

チャートは100日前を100として、いま何点かを見せています。これの利点は、単位が違う資産を同じ土俵で見られることです。金価格、原油価格、国債価格、というバラバラの世界を、100という同じスタートラインにそろえます。100より上なら上がった、下なら下がった、という小学生でも迷いにくい形になります。

豆知識:相対比較の強みは、絶対値ではなく勢いを見られることです。例えば金と原油が両方上がっていても、金が100から120、原油が100から105なら、主役は金の可能性が高いです。

やりがちな失敗と、最低限の使い方

  • 失敗1:1日で結論を出す。対策は、長期75日を主役にして週単位で見ることです。
  • 失敗2:金が上がったから絶対安全と決める。対策は、金は万能ではないと先に理解しておくことです。
  • 失敗3:原油高イコール好景気と決める。対策は、需要か供給かをニュースで確認することです。

これをどう資産配分に結びつけるか

上記のページは売買シグナルではありません。

資産配分のブレーキとアクセルの強さを調整するための計器というのがしっくりきます。

例えば、リスクオフ寄りならレバレッジを下げる、集中を避ける、キャッシュを少し厚くする、のように行動を小さく変えます。逆にリスクオン寄りなら、分散を維持したままリスク資産の比率を少し戻す、のように調整します。

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