SBI岡三アセットマネジメントの「ROBOPROファンド」月次運用レポート(2025年12月30日現在)を材料に、基準価額がどう動き、何が勝ち負けを分けたのかを整理します。
12月は株式が底堅く、ポートフォリオが大きく寄せていた米国株式が効きました。一方で不動産が弱く、分散の中の足かせにもなりました。参考資料は添付レポートです。

私が購入している理由は以下です。

- 1. 今月の結論 基準価額はどう動き 何が勝ち負けを分けたのか
- 2. 資産クラス別の騰落率まとめ どの市場が追い風 向かい風だったか
- 3. AIが導き出した12月の最適ポートフォリオ 米国株と新興国債券への集中
- 4. 運用者コメントの要点整理 12月の世界市場をどう見たか
- 5. 上位組入8銘柄(ETF)の役割と今月の勝ち筋
- 6. リスク リターン比較 日本株やS&P500と比べて何が違うのか
- 7. ROBOPROの強み 先行指標と機械学習とは何か
- 8. ファンドの仕組みと分配方針 どんな構造で運用されているのか
- 9. 投資リスクを総点検 ROBOPROに固有の注意点は何か
- 10. 投資家がチェックすべきポイント 買うべきかを判断する基準
1. 今月の結論 基準価額はどう動き 何が勝ち負けを分けたのか
レポート作成基準日(2025年12月30日)時点の基準価額は1万口当たり14,752円、純資産総額は2,329.9億円です。直近1カ月の分配金再投資基準価額の騰落率はプラス0.71パーセントで、12月は上向きでした。レポート本文でも、各資産の月間騰落率は不動産を除いて上昇し、基準価額も上昇したと説明されています。
勝ち負けを分けたのは、12月時点での資産配分の寄せ方です。ポートフォリオは米国株式と新興国債券の2資産で9割超という構成で、米国株式が強い月は素直に恩恵が出ます。反対に、もし米国株が崩れる局面では同じ構造が弱点になります。12月は前者が勝った月でした。
2. 資産クラス別の騰落率まとめ どの市場が追い風 向かい風だったか
レポートの資産別の月間騰落率では、12月は不動産のみがマイナスで、それ以外は上昇という整理です。つまり追い風は株式と多くの債券、向かい風は不動産でした。
あわせて、直近1年と5年の騰落率を見ると、資産クラスごとの性格がはっきりします。たとえば金は直近5年で大きく上昇し、直近1年でも強い数字です。米国株式も5年で高い伸びです。
一方、米国債券や不動産は同じ期間で見劣りします。ROBOPROは月次で配分を動かす設計なので、こうした強弱を見て配分が偏るのは自然です。
豆知識:資産クラスの直近5年の数字は、強かったものを当てる遊びではなく、なぜAIが米国株や金に寄りやすいのかを説明する材料にもなります。過去が強いから将来も強いとは限りませんが、少なくともモデルが見ている市場の癖は読み取れます。
3. AIが導き出した12月の最適ポートフォリオ 米国株と新興国債券への集中
12月の組入上位は3銘柄で、米国株式のETFが48.8パーセント、新興国債券のETFが44.4パーセント、新興国株式のETFが6.2パーセントです。ほぼ米国株式と新興国債券の二本立てで、キャッシュは0.6パーセントと小さい構成です。
ここで重要なのは、分散していないこと自体が悪ではない点です。分散はリスクを薄めますが、同時に勝ち筋も薄めます。ROBOPROは毎月の判断で勝ち筋に寄せる設計なので、集中は仕様通りです。投資家側は、この集中が自分のリスク許容度に合うかどうかを先に確認すべきです。
4. 運用者コメントの要点整理 12月の世界市場をどう見たか
12月の株式市場は上昇しました。FOMCを前に利下げに慎重な姿勢が示される警戒が広がったものの、予想通り利下げが実施されると不安が和らいだという流れです。中旬にはAI関連の設備投資拡大の発表と、データセンター完成の遅延報道をきっかけに、AI過剰投資への懸念が再燃して株価が下落しましたが、月後半は米GDP成長率の堅調さや米大手半導体企業の決算が好感され、株価は再び上昇しました。
債券は米10年国債利回りが上昇する局面がありつつ、中旬以降は雇用統計とCPIが材料になり利回りが低下する局面もありました。為替はドル円が上下に振れ、日銀の発言や会合、為替介入への警戒が揺さぶりとして効いたという整理です。
5. 上位組入8銘柄(ETF)の役割と今月の勝ち筋
12月時点の実質的な中身は3銘柄ですが、米国株式は成長とリスクテイクの核で、新興国債券は利回り要素と分散の核です。新興国株式はサテライトで、景気や政策期待が強い局面で上振れを拾う役回りです。
今月の勝ち筋は、米国株式の上昇局面を大きく取りにいったことです。逆に、もし月後半の上昇が来ず中旬の調整が続いていたら、集中が裏目に出る構図でした。つまり勝った理由は市場環境だけでなく、ポートフォリオの形そのものにあります。
6. リスク リターン比較 日本株やS&P500と比べて何が違うのか
レポートのリスク リターン図では、ROBOPRO、日本株、米国株の位置関係が示されています。一般に、株式単体はリスクもリターンも大きくなりやすく、複合資産はその中間に位置しやすいです。ROBOPROの狙いは、株式の上昇を取りにいきつつ、必要に応じて債券や他資産へ寄せてリスクも調整することです。
ただし、12月のように2資産に極端に寄ると、実態はバランス型というよりテーマ型に近づきます。この月次の振れ方が、一般的な固定配分のバランスファンドとの一番の違いです。
7. ROBOPROの強み 先行指標と機械学習とは何か
レポートでは、先行性の高いマーケットデータを解析し、約1,000の特徴量を組み合わせて多角的に解析すると説明しています。
参考データの例として、日本株、米国株、ドル円、米国債、ハイイールド債券、原油、金、銅などが挙げられています。さらに機械学習で継続的にモデル改善を続け、年月の経過に合わせて予測精度の向上が期待できるという立て付けです。
ここでの現実的な見方は、AIが未来を当てるというより、相場の癖を定量化して配分判断を高速に回す仕組みだという点です。だからこそ、相場の地合いが急変すると誤差も出ます。モデルの弱点を理解したうえで、商品としての長所短所を判断するのが筋です。
人間が判定を見たとして、ここまでダイナミックに配分を機械的に実施はできないと思います。
豆知識:特徴量が多いことは万能の証拠ではありません。重要なのは、特徴量の質と、運用判断に落とし込むルールの一貫性です。AIといっても、最終的にはどの資産にどれだけ寄せるかという意思決定の仕組みです。
8. ファンドの仕組みと分配方針 どんな構造で運用されているのか
ファンドは、ROBOPROファンドがマザーファンドを通じて、世界の取引所に上場しているETFへ投資する形です。これにより実質的に世界の株式、債券、リート、コモディティへ分散投資を行う設計です。ETF運営面では流動性やコストなどの条件により、ETNに投資を行う場合があるとも記載されています。
分配方針は、原則として毎年6月19日と12月19日に決算を行い、分配対象額の範囲で分配を目指すという整理です。過去の分配実績として、直近5期合計で1万口当たり700円が示されています。分配は運用状況により変わり、支払われない場合もある点は注意が必要です。
9. 投資リスクを総点検 ROBOPROに固有の注意点は何か
一般的な価格変動リスクや為替変動リスクに加え、ROBOPROには運用の特徴に由来する注意点があります。ひとつは配分を機動的に変えるため、月によって値動きの性格が変わることです。もうひとつは、AI予測が外れた場合に、集中が損失を拡大しうることです。
- 資産配分の集中により、特定市場の下落が基準価額へ強く反映される場合があります。
- 新興国債券や新興国株式は、信用リスクやカントリーリスク、流動性の低下が起きやすい局面があります。
- 為替ヘッジを原則行わないため、円高局面では外貨建て資産の評価が押し下げられます。
10. 投資家がチェックすべきポイント 買うべきかを判断する基準
買うかどうかは、基準価額の上下ではなく、自分の目的と商品の癖が合うかで決めるべきです。ROBOPROは、固定配分のバランスではなく、月次の判断で姿が変わる商品です。ここが刺さる人と刺さらない人が分かれます。
- 自分の許容できる下落幅を先に決め、その範囲に収まる設計かを確認します。
- 分配金はおまけと割り切り、分配で安心しないようにします。
- 手数料と信託報酬を理解し、長期でのコスト影響を試算します。
費用面では、店頭での購入時手数料が最大3.3パーセント(ネットでの購入は無料)、信託報酬が年率1.562パーセントと示されています。長期投資では、相場の当たり外れよりコストが効いてくる期間もあるので、ここは軽視しないほうが良いです。


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