スパークス ジャパン スモール キャップ ファンド ライジング サン 2025年12月レポートを読む 指数が下がる月に勝つ仕組み

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド (愛称:ライジング・サン) 株式

スパークス ジャパン スモール キャップ ファンド(愛称 ライジング サン)の2025年12月マンスリーレポートです。

指数が下がった月にプラスで着地した理由を、運用の中身からほどいていきます。

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スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンドに関するチャート、運用コメント、運用報告書、月次報告書、レポートやお取り扱いの販売会社についてご紹介します。スパークス・アセット・マネジメント株式会社は、1989年に創業した独立系の投信投資...

1 0.57パーセント上昇で指数に4.15ポイント勝った

2025年12月30日時点の基準価額は1万口当たり73,194円で、換金価額は72,975円です。純資産総額は49.95億円です。直近1か月の騰落率はプラス0.57パーセントで、ベンチマークの東証グロース市場指数(配当込み)はマイナス3.58パーセントでした。差し引きで4.15ポイント上回っています。

相場が強かったから勝てたのではない点です。指数が下がる局面でプラスを確保できたのは、上昇した銘柄の寄与が明確にあったからです。

2 市場環境 12月の日本株は小幅高でも中身は揺れた

レポートでは、12月のTOPIX(配当込み)は前月末比でプラス1.03パーセント、日経平均はプラス0.17パーセントと整理されています。月前半は日銀総裁発言をきっかけに利上げ観測が高まり長期金利が急上昇し、銀行株を除く幅広い銘柄が売られて指数が下落しました。その後は米国の利下げ期待や米政府のロボット産業支援方針を材料に、FAやロボットなどフィジカルAI関連が相場をけん引してTOPIXが高値更新に至ったと説明されています。

ただし月後半は、米IT大手OracleのAIデータセンター完成遅れやBroadcom決算を受けた警戒感から、AI投資の収益性への不安が強まり、半導体関連中心に調整が進みました。日銀は利上げを決めたものの、会見がハト派的と受け止められて円安が進み、輸出や半導体に買いが入った一方、月末は薄商いで方向感を欠いたとされています。

つまり12月は、金利とAI期待の綱引きで、上がる日も下がる日も理由がはっきり変わる月でした。

豆知識指数が小幅高の月ほど、アクティブファンドは差が出やすいです。指数が一直線に上がる局面は何を持ってもそれなりに上がりますが、材料が日替わりでテーマが入れ替わる局面では、銘柄選択の差がそのまま成績差になります。

3 このファンドの設計 ベンチマークはグロースだが持ち方はグロース一択ではない

ベンチマークは東証グロース市場指数(配当込み)です。とはいえ、資産配分を見ると株式96.9パーセント、現金その他3.1パーセントで、株式はプライム市場84.0パーセント、グロース市場12.9パーセントという構成です。グロース指数と比べると、実際の持ち場はプライム寄りです。指数連動ではなく、ボトムアップで割安や変化を拾う運用だという宣言が、この数字でも裏付けられます。

業種別では情報通信16.4パーセント、サービス11.9パーセント、機械7.2パーセント、その他製品6.7パーセント、不動産6.1パーセントなどが上位で、その他が48.6パーセントです。業種を先に決めるのではなく、銘柄を積み上げた結果として業種が分散して見える構造です。

業種比率を決めてから組み入れるのではなく、投資魅力の高い銘柄を選別し、上昇余地やリスク、流動性、再評価までの時間軸を考慮してポートフォリオを構築すると説明されています。

4 組入上位銘柄 1銘柄依存ではなく薄く積んで当てにいく

組入銘柄総数は41銘柄です。上位10銘柄は、ペプチドリーム3.8パーセント、戸田建設3.6パーセント、東京建物3.6パーセント、美津濃3.4パーセント、リンテック3.3パーセント、INTLOOP3.2パーセント、コニカミノルタ3.1パーセント、横浜ゴム3.0パーセント、タクマ3.0パーセント、ミスミグループ本社2.9パーセントです。最大でも4パーセント未満で、極端な集中ではありません。

この形は、ホームラン狙いというより、複数の変化銘柄を同時に持って当たりを拾う設計です。小型株で怖いのは、銘柄数を絞り過ぎて外れたときの戻りが遅くなることですが、このファンドは上位比率を抑えつつも41銘柄に絞っているので、指数と同じ平均点ではなく、当てにいくが一社で沈まないというバランスを狙っているように見えます。

5 今月の勝ち負けを決めた銘柄 プラス寄与とマイナス寄与が明示されている

12月にプラス寄与した銘柄として、リガク ホールディングス、パーク24、ラウンドワンが挙げられています。一方でマイナス寄与はMARUWA、ペプチドリーム、BIPROGYです。指数が下落した月にプラスで終えたという事実は、プラス寄与の伸びがマイナス寄与を上回ったという意味です。

構成1位にいるペプチドリームがマイナス寄与になったことを見て、ポートフォリオが医薬品やディフェンシブで守る設計ではないと理解することです。

6 期間別パフォーマンス 1か月だけで判断すると逆の結論になる

短期から長期までの数字が並んでいます。過去3か月はプラス3.84パーセントでベンチマークはマイナス8.81パーセントです。過去6か月はプラス11.88パーセントでベンチマークはマイナス7.88パーセントです。過去1年はプラス22.84パーセントでベンチマークはプラス7.83パーセントです。過去3年はプラス66.15パーセントでベンチマークはマイナス3.37パーセントです。設定来はプラス845.39パーセントでベンチマークはプラス119.51パーセントです。

短期も長期も、ここに載る期間では相対的に強かったことになります。

7 コスト 信託報酬は年率1.87パーセント 留保額0.3パーセントが効く場面もある

購入時手数料は基準価額に対して上限3.3パーセントです。運用管理費用の信託報酬は日々の純資産総額に対して年率1.87パーセントです。

換金時には信託財産留保額として基準価額に対して0.3パーセントがかかります。加えて監査費用や印刷費用などは純資産総額に対して年率0.10パーセントを上限として計上されるとあります。小型株アクティブとしては珍しい水準ではありませんが、長期では差になるので数字として把握しておくべきです。

コストは高めなので、内容を参考にするだけでも良いです。

関連情報同じ小型株でも、指数連動型は信託報酬が低い一方で、銘柄入れ替えや割安の取り込みは期待しにくいです。アクティブのコストは高く見えますが、何に対価を払っているのかを言語化できるかが判断の分かれ目です。

8 レポートを読むならここだけ

  • 1ページで基準価額と1か月騰落率とベンチマーク差を確認する。
  • 2ページで資産配分と市場別構成と上位10銘柄を見て、どの持ち場のファンドか把握する。
  • 3ページでプラス寄与とマイナス寄与の銘柄を確認し、勝ち負けの理由を一文にする。

この順で読めば、細かい注意書きを全部読まなくても、このファンドが何を狙い、どこで結果が割れたのかが掴めます。

12月の特徴は、ベンチマークが下落するなかでプラスで終えた点にあります。その背景は、相場観の当て物ではなく、個別銘柄の寄与が明示されている通り、銘柄選別の結果として説明できます。

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