ひふみマイクロスコープproの2025年12月度レポートを材料に、今月の成績の読み方と、次月以降の見方を整理します。
1 今月の結論 1か月はプラス0.40パーセント ただしTOPIXとの比較は注意が要る
作成基準日である2025年12月30日時点で、ひふみマイクロスコープproの基準価額は11,693円、純資産総額は152.60億円です。直近1か月の運用成績はプラス0.40パーセントと示されています。レポート上は参考としてTOPIX配当込みも併記されていますが、TOPIXはベンチマークではないと明記されています。
2 市場環境 12月は小幅高でも中身はバリュー優位 小型成長は相対的に逆風
運用責任者のコメントでは、12月の日本株は小幅高で、米国株の堅調さがサポート要因になった一方、米国のAI半導体関連の軟調で日経平均は上値が重くなったと整理されています。TOPIXは月中に史上最高値を更新しましたが、小型株の東証グロース市場250指数は月次では下落したと書かれています。ただし中旬の安値からは切り返しており、当面の底値を付けた可能性にも触れています。
スタイル面では、大型株と小型株のどちらでもバリュー株が優位で、グロース株が劣後したという説明です。ファクター別でも割安性が優位で、モメンタムが劣後したとされます。
ひふみマイクロスコープproは小型株を扱いますが、必ずしもグロース市場に寄せ切る設計ではなく、割安や需要の確度を重視する局面があるからです。12月はまさに、割安性が評価されやすい地合いでした。
豆知識小型株ファンドでも、上がるのは成長株だけとは限りません。相場が割安性を評価する月は、地味でも需要が確実な企業や、資本効率や株主還元の改善が見込める企業が強くなりやすいです。レポートの市場環境コメントは、どのタイプの銘柄が報われた月かを示すヒントになります。
3 このファンドの設計 小型株に投資しつつ 現金比率と市場分散でブレを調整する
運用はファミリーファンド方式で、レオス日本小型株マザーファンドを通じて株式に投資する形です。マザーファンドの状況を見ると、組み入れ銘柄数は76銘柄で、資産配分は国内株式77.93パーセント、現金等22.07パーセントです。小型株ファンドとしては現金比率が高めで、局面判断で株式比率を動かす設計がうかがえます。
市場別比率は、プライム市場45.31パーセント、スタンダード市場11.42パーセント、グロース市場21.20パーセント、現金等22.07パーセントです。グロース市場に全振りではなく、プライムやスタンダードも使いながら小型株の機会を拾う構造です。時価総額別でも、300億円以上3,000億円未満が58.26パーセントと中心で、300億円未満が13.55パーセント、3,000億円以上が6.13パーセント、現金等が22.07パーセントです。極小型だけを狙うのではなく、流動性や事業の安定度も加味したゾーンで勝負していると読めます。
12月は、確信度の低い銘柄を売却し、官公需など確実な需要を享受するレガシー企業群から複数の新規組み入れを行ったと説明されています。新規組み入れを先行させた結果、銘柄数は前月比で増加したとも書かれています。
さらに、東証グロース市場250指数が目先の底入れと判断したこともあり、数か月高水準に保ってきた現金比率を若干低下させ、株式保有比率を上昇させたという方針が示されています。ここが12月の中身の核心です。
4 組入上位銘柄 1社集中ではなく 2パーセント前後の厚みで複数の勝ち筋を作る
| 順位 | 組入銘柄 | 組入比率 |
|---|---|---|
| 1 | セリア | 3.61% |
| 2 | CCIグループ | 3.26% |
| 3 | コシダカホールディングス | 2.54% |
| 4 | 池田泉州ホールディングス | 2.28% |
| 5 | 岡野バルブ製造 | 2.18% |
| 6 | IMV | 2.17% |
| 7 | アイドマ・ホールディングス | 2.00% |
| 8 | フィットイージー | 2.00% |
| 9 | ラクト・ジャパン | 1.99% |
| 10 | インソース | 1.98% |
レポートには各銘柄の簡単な紹介もあり、たとえばセリアは100円ショップ大手として商品企画力や効率化を特徴として記載されています。
銀行株では地域シェアや金利上昇への感応度といった観点が示され、機械や精密機器では発電所向け特殊バルブや振動試験装置など、ニッチ領域の強みが説明されています。ここから分かるのは、話題性よりも、需要の筋が通る事業や足場のある企業を拾いにいく姿勢です。
5 今月の勝ち負けを決めた銘柄 直接の勝敗より 何を入れ替えたかを見る
このレポートは、先ほどの銘柄紹介に加えて、個別銘柄を掘り下げるページも用意されています。12月号ではアイドマ・ホールディングスについて、営業支援サービスの内容、AIやクラウドソーシングの活用、主要KPIを細かく分析して生産性を高める姿勢、さらに株主還元を2024年8月期から実施している点などが説明されています。
一方で、月次の勝ち負けを最も端的に決めたのは、運用責任者コメントにある売却と新規組み入れ、そして現金比率の引き下げです。
確信度の低い銘柄を切り、確実需要のレガシー企業を増やし、グロース市場250の底入れ判断でリスクを取り直したという運用行動が、12月の結果を作ったということです。
6 期間別パフォーマンス 1か月だけで結論を出すと見誤る
期間別成績は、1か月プラス0.40パーセント、3か月マイナス0.67パーセント、6か月プラス6.92パーセント、1年プラス13.15パーセントと記載されています。月次が小幅プラスでも、3か月ではマイナスになっているため、短期の値動きだけで評価すると見え方が変わります。
小型株は局面で得意不得意がはっきり出るため、少なくとも半年から1年の単位で、運用の一貫性が保たれているかを見た方が誤解が減ります。
なお分配は、2024年11月と2025年11月がいずれも0円で、設定来合計も0円と示されています。すべて投資に回っているので心配の必要はないです。


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