「ひふみマイクロスコープpro」2026年2月の運用レポートを解説!

ひふみマイクロスコープpro 投資信託

日本の小型株市場には、まだまだ市場から注目されていない「隠れた優良企業」が数多く存在します。そうした企業をプロの目線で発掘し、長期的な成長を狙うのが「ひふみマイクロスコープpro」です。

レオス・キャピタルワークスが運用するこのファンドの2026年2月27日時点の月次レポートをもとに、運用実績や注目銘柄の中身、ファンドマネージャーの市場観まで、分かりやすく解説していきます。投資初心者の方にも読みやすい内容にまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

ひふみマイクロスコープproとはどんなファンドか

ひふみマイクロスコープproは、レオス・キャピタルワークス株式会社が運用する国内株式型の追加型投資信託です。2024年3月19日に設定されたまだ比較的新しいファンドで、信託期間は無期限です。

このファンドの最大の特徴は、日本国内の小型株に集中して投資する点にあります。「ひふみ」シリーズといえば、長年にわたって日本の成長企業を発掘してきた実績で知られています。その中でも「マイクロスコープ(顕微鏡)」という名前が示すとおり、よりミクロな視点で小型株・中小型株の中から宝の原石を探し出すことを目的としています。

運用はファミリーファンド方式を採用しており、「レオス日本小型株マザーファンド」を通じて実質的に株式に投資します。マザーファンドの設定は2011年11月16日と10年以上の運用実績を持っており、その長期パフォーマンスはTOPIXを大きく上回っています。

ファンドの基本情報:

運用会社はレオス・キャピタルワークス株式会社、受託会社は三井住友信託銀行株式会社です。当初設定日は2024年3月19日で、信託期間は無期限、決算日は毎年11月16日です。信託報酬は年率1.485%(税抜1.35%)で、NISAの「成長投資枠」の対象ファンドとなっています(販売会社によって取り扱いが異なる場合があります)。

2026年2月の運用実績を読み解く

2026年2月27日時点の基準価額は12,659円、純資産総額は159.72億円となっています。なお、マザーファンドの基準価額は138,089円まで上昇しており、これは2011年の設定当初から約13.8倍になっている計算です。

ひふみマイクロスコープpro自体は2024年3月設定のため、以下の騰落率を確認してみましょう。

期間 ひふみマイクロスコープpro TOPIX(配当込み)
1ヵ月 +9.30% +10.47%
3ヵ月 +8.70% +16.77%
6ヵ月 +6.77% +29.52%
1年 +28.82% +50.49%
設定来 +26.59% +51.76%

短期・中期ではTOPIXに対して出遅れている局面が続いています。ファンドマネージャーのコメントにもあるように、2月はバリュー株が優位でグロース株は劣後するスタイルとなりました。小型成長株を中心に組み入れるこのファンドにとっては逆風の環境でした。

ただし、マザーファンド(レオス日本小型株マザーファンド)の設定来パフォーマンスは、TOPIXを大きく上回る長期実績を持っています。短期の市場環境による出遅れは、長期投資家にとって焦る必要のない一時的な局面と捉えることもできます。

豆知識(グロース株とバリュー株の違い):

グロース株とは、将来の高い成長が期待される企業の株のことです。まだ利益が少なくても「これから大きく伸びる」と期待されて株価が高くなりがちです。一方のバリュー株は、現在の業績や資産に比べて株価が割安な企業の株です。市場環境によってどちらが優位になるかが変わるため、小型グロース株中心のファンドが短期的にTOPIXに劣後することは珍しくありません。

2026年2月の市場環境と運用状況

2月の国内株式市場の動き

2月の国内株式市場は、衆院選での与党の歴史的大勝を追い風に大幅高でスタートしました。しかし月中以降は、中東情勢の緊迫化やAIによる業務代替懸念などが重石となる局面もありました。月下旬には日本銀行の次期審議委員の人事案から金融緩和継続への期待が高まり、上昇に転じています。

スタイル別では、大型株・小型株ともにバリュー株が優位で、グロース株は劣後しました。業種別では非鉄金属、不動産業、建設業などが上位となり、サービス業や情報・通信業、その他製品などが下位となっています。

2月の運用方針と売買内容

当月の運用では、2025年10〜12月期の企業業績や2026年度通期ガイダンスを確認しながら、高い増益率を維持できると判断した銘柄を買い増ししました。一方、新年度ガイダンスが低調なものや、AIによる代替懸念が高まったSaaS関連銘柄は売却しました。

また、高市政権が掲げる「戦略17分野」に挙げられている国土強靭化や防衛関連の銘柄を少しずつ買い増しする動きも見られました。政策の恩恵を早期に取り込もうという戦略的な動きといえます。

ポートフォリオの中身を詳しく見てみよう

マザーファンドの組入銘柄数は72銘柄、純資産総額は178.11億円です。国内株式の比率は92.83%で、現金等が7.17%となっています。市場別では東証プライム市場が52.09%、グロース市場が24.49%、スタンダード市場が16.26%という配分です。

時価総額別では300億円以上3,000億円未満の銘柄が61.87%を占めており、まさに「中小型株」の領域に集中しています。300億円未満の超小型株も15.72%組み入れており、まだ市場での知名度が低い段階から成長株を発掘しようという姿勢が伝わってきます。

組入上位10銘柄(2026年2月27日時点)

順位 銘柄名 銘柄コード 業種 組入比率 注目ポイント
1位 セリア 2782 小売業 4.39% 100円ショップ大手。採算のよい雑貨品中心に商品企画力で差別化。インフレ下でも価格据え置きの独自路線。
2位 トライアルホールディングス 141A 小売業 3.86% 九州地盤のディスカウント小売大手。AIやIT活用に積極的で、2025年に西友を買収。再建の手応えが出始めている。
3位 IMV 7760 精密機器 3.44% 振動試験装置のメーカー。主要ユーザーが自動車から防衛・AIサーバーなどに広がり成長加速。
4位 MTG 7806 その他製品 2.58% 美容機器「ReFa」やEMS機器「SIXPAD」を展開するファブレスメーカー。多様な販路拡大で業績拡大中。
5位 日本ドライケミカル 1909 機械 2.47% 消火設備などの防災機器製造・施工。データセンター向け窒素消火設備が伸長中。
6位 テスホールディングス 5074 建設業 2.39% 再生可能エネルギー関連の施工・発電事業。系統用蓄電池の受注が急増中。
7位 CCIグループ 7381 銀行業 2.37% 石川県地盤の地銀。県内預貸シェア首位を堅持。法人コンサルや投資ファンドにも注力し積極的な株主還元。
8位 メタウォーター 9551 電気・ガス業 2.36% 上下水道処理設備の専業オペレーター。自治体向けに安定した受注残高を背景に堅実成長。北米でも展開中。
9位 岡野バルブ製造 6492 機械 2.28% 原子力・火力発電所向け特殊バルブの国内草分けメーカー。ニッチ分野で高い技術力と市場シェアを持つ。
10位 帝国繊維 3302 繊維製品 2.22% 明治17年創業の老舗。防災関連へ軸足を移し、空港・原発などの重要インフラ向け機材で存在感を示す。

組入上位10銘柄を見てみると、小売・インフラ・防災・再生可能エネルギー・精密機器など多様な業種にわたっていることが分かります。単一のテーマや業種に偏ることなく、それぞれの分野でニッチな強みを持つ企業を選んでいる点が「ひふみ」らしいアプローチといえるでしょう。

注目銘柄ピックアップ(トライアルホールディングス):

2位に入るトライアルホールディングスは、2025年3月に西友を買収したことで注目を集めました。月次レポートによると、買収直後は約3,700億円もの借入負担への懸念から株価が揺れていたものの、2月中旬の第2四半期決算では上期の営業利益が計画104億円に対して実績166億円と大幅に上回る結果となりました。西友店舗でトライアルが得意とするIT活用や惣菜強化などの施策が早くも効果を発揮しており、2029年6月期に売上高1.6兆円を目指す中期経営計画も発表されています。ファンドがこの銘柄を上位に保有している理由がよく分かる展開です。

ファンドマネージャーが見る今後の市場と投資方針

ひふみマイクロスコープproのファンドマネージャー・渡邉庄太氏は、今後の市場と投資方針についていくつかの重要な視点を示しています。

まず国内政治面では、衆院選で自民党が戦後最多となる316議席(占有率68%)を獲得したことで、高市政権が長期安定政権となる可能性が高まったと評価しています。政権が掲げる国土強靭化・防衛・AI・グリーンエネルギーなど17の戦略分野への政策的な後押しが、関連銘柄の成長を促すと見ているようです。

一方で、中東情勢の不安定化とAIによる業務代替懸念という2つのリスクについても注意深く言及しています。特にSaaS関連株については「市場が過剰反応している側面もある」としつつも、引き続き推移を見守る姿勢を示しています。

今後の運用方針としては、高市政権の戦略17分野で恩恵拡大が見込まれるレガシー銘柄と、ユニークなサービスで高成長が見込める新興銘柄をブレンドしながら着実なリターン獲得を目指すとしています。バリューとグロースを組み合わせた柔軟なアプローチが特徴的です。

経済調査室長が語る日本株の優位性

レオス・キャピタルワークスの経済調査室長・三宅一弘氏は、マクロ経済の観点から日本株の中期的な優位性を次のように分析しています。

日本の名目GDPは年率3%程度(実質1%+デフレータ2%)の成長軌道にあり、TOPIXの予想EPSと名目GDPは密接に連動して拡大しているため、名目GDPの成長は日本株の極めて大きな原動力になると指摘しています。名目GDP3%成長なら予想EPSは約12%成長、4%成長なら約16%成長という関係が長期的に成り立っているとのことです。

高市政権による成長・強国政策が実現すれば名目GDPの上振れが期待できるため、企業業績、そして株価にとってポジティブな環境が続く可能性が高いという見立てです。中東情勢については交戦の長期化回避をベースシナリオとし、短期的な波乱はあっても落ち着きを取り戻すと予想しています。

このファンドはどんな人に向いているか

長期で日本の中小型成長株に投資したい方に適しています。設定からまだ約2年と日が浅いファンドですが、運用母体のレオス日本小型株マザーファンドは2011年設定で14年以上にわたり長期の実績を積み重ねています。短期的には市場全体に対して劣後する局面もありますが、長期では高いリターンが期待できる運用哲学を持っています。

NISAの成長投資枠を活用したい方にも向いています。このファンドはNISAの「成長投資枠」対象ファンドのため、税制の恩恵を受けながら長期投資ができます。ただし販売会社によって取り扱いが異なる点は事前に確認が必要です。

プロのアクティブ運用による銘柄発掘に魅力を感じる方にも適しています。インデックスには入らないような中小型株の中から、「将来化ける企業」を企業取材を通じて発掘するアクティブ運用の醍醐味を体験できるファンドです。

注意点(リスクについて):

このファンドは投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被ることがあります。国内の小型株を主要な投資対象とするため、株式市場全体の動きに比べて価格変動が大きくなる場合があります。信託報酬は年率1.485%(税抜1.35%)で、他に売買委託手数料などの費用もかかります。また、申込手数料は3.30%(税抜3.00%)を上限として販売会社が定める料率となります。投資の際は必ず投資信託説明書(交付目論見書)の内容を確認し、ご自身の判断で行ってください。

まとめ

ひふみマイクロスコープproは、レオス・キャピタルワークスが長年培ってきた日本の小型株発掘の知見を凝縮したアクティブファンドです。2026年2月は市場全体のバリュー優位な環境の中でグロース株が苦戦する局面となりましたが、トライアルホールディングスの西友再建進捗など、個別銘柄レベルでは力強い成果も出ています。

セリアや帝国繊維、岡野バルブ製造のような「知る人ぞ知る」銘柄が組み入れられているのを見ると、普段インデックス投資だけをしている方には新鮮な発見があるのではないでしょうか。こうした企業の成長を応援しながら長期的なリターンを目指すという、投資本来の楽しさと可能性を感じさせてくれるファンドといえます。

短期的な数字だけにとらわれず、マザーファンドの10年超の実績やファンドマネージャーの哲学も含めて長い目で評価することが、このファンドとの上手な付き合い方かもしれません。

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