成功に向かう道は、本当に「正しい」ことを積み重ねるだけでいいのか?
そんな疑問に、ズバリ答えてくれるのが本書『非常識な成功法則【新装版】』です。
2002年が初出?で、新装版は2011年の本です。
叶うものと叶わないものがありますが、チャンスが来たときに「ハッ」と気付くことができる本です。
神田昌典氏が提言するのは、まさに「常識を疑え」というメッセージ。
本記事では、その核心的エッセンスを丁寧に解説しながら、読者が自分の中の「非常識な力」を再発見できるよう導きます。
「正しさ」より「結果」にこだわれ
冒頭から本書は痛烈です。
よく耳にする「感謝の心を忘れずに」「人の役に立てばお金はついてくる」といった言葉を、神田氏は“成功した人による後付けの美談”だと断じます。
これらは美しい言葉であっても、「まだ何者でもない人」には武器にならないという現実を突きつけます。
つまり、理想を語る前に、まず結果を出せというのが本書の主張なのです。
嫉妬・怒り・悔しさは最強のエンジン
「ポジティブであれ」という教えに疲れた人にとって、本書のこの一節は救いかもしれません。
神田氏は、「見返したい」「悔しい」といったネガティブな感情をむしろ成功の燃料にせよと説きます。
モチベーションの源泉は、人それぞれ。偽りの前向きよりも、本音の怒りの方が、よほど行動力を引き出すというわけです。
豆知識:心理学では、怒りや悔しさは「アプローチ動機づけ」を高める要因とされ、実際に集中力や継続力を高めることが示されています。
「やりたくないこと」を明確にせよ
「自分のやりたいことが分からない」と悩む人は多いですが、神田氏はここで発想の転換を求めます。
それは、「やりたくないこと」を先に洗い出すという方法。
「毎日満員電車に乗りたくない」「上司の顔色をうかがいたくない」など、嫌なことを避けるための選択を積み重ねていけば、自然と「自分らしい働き方」に辿り着けるというのです。
肩書きが行動を変える
「自分には実績がないから…」と思っているあなたへ。
本書では、「肩書きは自作してしまえ!」という驚きのアドバイスが登場します。
「●●コンサルタント」「●●研究家」と名乗ってしまえば、自然とその肩書きにふさわしい行動を取るようになる。
これは、自分自身に課す“役割演技”のようなもので、行動力とセルフイメージのギャップを埋めるための実践的メソッドです。
目標は手書きで、数字と期限を必ず入れる
目標設定の方法も、本書は実に具体的。
毎日、手書きで、数字と期限を明記することで、脳がその情報を重要だと認識し、無意識が味方してくれるのだとか。
これは脳科学の概念「RAS(網様体賦活系)」を応用したテクニック。
「売上月100万円」「3ヶ月で20人契約」など、具体的な目標は行動の精度を高めます。
情報戦を制する者が勝つ、フォトリーディングと殿様営業
情報があふれる現代においては、インプットよりもアウトプットのスピードが問われます。
本書では、「フォトリーディング」などの速読術と、「売り込まない営業(殿様営業)」が紹介されています。
前者は情報処理スキルの高速化、後者は「自分を高く売る」営業戦略として、いずれも「自分軸」で動くための武器となります。
お金を愛せ。「お金は悪」という思い込みを捨てよ
神田氏が徹底的に批判するのは、「お金は汚い」「卑しい」といった思い込み。
むしろ「お金を溺愛せよ」「もっと稼ぎたいと素直に思え」と煽ってくるあたり、本書の非常識ぶりがよく表れています。
お金を遠ざける心のブレーキを外し、「もっと稼げる自分になろう」と思えたとき、初めて金脈は動き出すのです。
成功後にも、また次の山がある
「成功すれば万事OK」――そんな幻想にもしっかり釘を刺してくれるのが本書の良いところ。
お金や地位を得ても、新しい悩みや迷いは必ずやってくる。
それでも、「次の山に登る覚悟があるかどうか」が、本当の意味での成功者を分けるのです。
「非常識」は、人生を動かす起爆剤だ
『非常識な成功法則【新装版】』は、優等生的な成功論にモヤモヤしていた人にとって、まさに“救いの書”と言える内容です。
ネガティブ感情を認め、偽りのない自分で勝負し、目標を具体的に掲げ、名乗って行動する。
成功とは、努力の前にまず「思い込みを壊す」ことから始まるのかもしれません。
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