たま「さよなら人類」がサブスク解禁した。リアルタイム世代じゃない私の感動と記憶

たま 暇つぶし

2025年5月、「たま」の代表曲「さよなら人類」がサブスク(サブスクリプション配信)でついに解禁されました。あの“異世界から来たバンド”が、今やクリック一つで聴けるようになるなんて…。

私は、たまをリアルタイムで体験した世代ではありません。初めて「さよなら人類」を耳にしたのは2000年ごろ。深夜にテレビから流れてきた奇妙で美しいメロディと、声にならないような歌声に吸い寄せられました。「なにこれ。もう一回聴きたいけど曲名がわからない」。そう思ったのを、今でもはっきりと覚えています。

奇妙で、優しくて、忘れられない「たま」という現象

たまの音楽は一言でいえば「風変わりで優しい革命」。シュールで詩的な歌詞、リコーダーやマンドリンが鳴る不思議な編成、そしてボーカルの玉井さんの「浮遊するような」声。現代のJ-POPには絶対に出せない、この“ズレ”が妙にリアルで、心の奥深くに刺さるんです。

「さよなら人類」はその代表格。戦争も、文明も、宇宙人さえも、子どもの視点で語るような無邪気さと、何かを諦めたような大人の哀しさが共存していて、不思議と涙が出てしまう。どこかの世界の終末感が、たった数分で私たちを連れ去るんです。

豆知識:「さよなら人類」は1990年、イカ天(いかすバンド天国)グランプリ受賞曲で、オリコン初登場1位。メジャーデビューにして異色の大ヒットでした。

サブスク解禁がもたらす新しい体験

今回のサブスク解禁で、私は初めて公式のMVを観ました。画面の中で、たまのメンバーがまるで“現実から切り離された存在”のように動いています。舞台セット、衣装、表情、音の隙間、すべてが「違和感」でできているのに、なぜか心が落ち着く。

これは「懐かしさ」ではなく、「初めて触れる風景なのに懐かしい」という不思議な感覚です。音楽はもちろん、ビジュアルの力も、たまというバンドの魔法の一部だったと気づきました。

今の世代にも届けたい、「たま」のポテンシャル

TikTokでバズる曲、YouTubeのオススメで知る海外アーティスト…。そんな時代にこそ、「さよなら人類」は新しい切り口で届くかもしれません。なぜなら、この曲はSNSとは真逆のテンポと空気感で、“急かされない”居場所を与えてくれるからです。

リアルタイムで体験していなくても、その価値は変わりません。いや、むしろ今の時代だからこそ、あの浮遊感と無重力のような歌声が、強く響くように思えます。

世界の終わりがこんなに優しいなら

たまの「さよなら人類」がサブスクで聴けるという事実は、ただの懐古ではなく、現代にこそ必要な詩のような出来事だと思います。リアルタイム世代でなくてもいい。むしろ今こそ、新たな入り口として、このMVを観て、耳を澄ませてほしいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました