2026年1月30日時点での中小型成長株オープン、通称スモール・モンスターズ・ジャパンの月次運用レポートが公開されました。
このファンドは、将来の大化けが期待できる中小型株に投資するアクティブファンドとして、2014年3月の設定以来、着実に実績を積み重ねています。今回は、最新のパフォーマンスデータをもとに、どのような運用が行われているのか、そして投資家が知っておくべきポイントについて詳しく解説していきます。
驚異的なパフォーマンス、1ヶ月で5.83%上昇
2026年1月の当ファンドの基準価額は51,726円となり、1ヶ月前と比較して5.83%という力強い上昇を記録しました。参考指数であるTOPIX Small(配当込み)の1ヶ月騰落率が4.13%だったことを考えると、市場平均を約1.7ポイントも上回る好成績を達成しています。
さらに注目すべきは、設定来の騰落率です。分配金再投資基準価額ベースで見ると、設定来の騰落率は417.26%に達しています。これは、10,000円で投資を始めた場合、約51,726円まで成長していることを意味します。一方、参考指数の設定来騰落率は279.09%ですので、約138ポイントも市場平均を上回るアウトパフォームを実現しているのです。
騰落率とは
騰落率とは、一定期間における価格の変動率のことです。投資信託では、基準価額がどれだけ上昇または下落したかをパーセンテージで表します。プラスであれば値上がり、マイナスであれば値下がりを示します。
純資産総額は縮小傾向、その背景とは
運用成績は好調な一方で、純資産総額は12.3億円と、ピーク時と比べてやや縮小しています。これは、ファンドの人気が低迷しているというよりも、むしろ近年の投資トレンドが全世界株式インデックスや米国株式インデックスなどの低コストファンドに集中していることが影響していると考えられます。
しかし、純資産総額が縮小しているからといって、このファンドの運用力が低下しているわけではありません。むしろ、アクティブ運用の強みを活かして、市場平均を大きく上回るリターンを継続的に生み出しているのです。
1月の投資環境と運用戦略
国内株式市場の動向
2026年1月の国内株式市場は上昇で幕を閉じました。月初は海外株式市場の堅調さと新年入りに伴う新たな投資資金の流入期待から、国内株も堅調に推移しました。その後、衆議院解散の可能性が報じられると、高市トレードと呼ばれる動きが再開し、株高・円安・債券安が進み、株価は一段高となりました。
ところが下旬にかけては、日銀やニューヨーク連銀がレートチェックを実施したと報じられ、為替介入の可能性が強く意識されました。これにより為替市場で急激な円高が進行し、国内株は上げ幅を縮める展開となりました。
ファンドマネージャーの投資判断
このような環境下で、ファンドマネージャーはAI・データセンターの需要拡大の恩恵を享受できると判断した半導体関連株や、環境規制の強化を背景に関連製品の需要増加が見込まれる機械株を買い付けました。
一方で、個人消費の低迷に伴う業績への悪影響が懸念された美容関連株や、入札案件の獲得が公表され短期的には好材料が織り込まれたと判断した宇宙関連株などを売却しました。
結果として、基準価額には鉱業株や航空機部品株などがプラスに寄与した一方、半導体商社株やソフトウェア株などがマイナスに影響しました。
高市トレードとは
高市トレードとは、高市早苗氏が首相候補として注目される際に発生する市場の動きを指します。高市氏は積極的な財政政策や金融緩和を支持する姿勢を示しており、この政策期待から株高・円安・債券安が進む傾向があります。
注目のポートフォリオ構成
組入上位10銘柄
現在のファンドの組入上位10銘柄を見ると、様々な業種に分散投資されていることがわかります。
| 順位 | 銘柄名 | 組入比率 |
|---|---|---|
| 1 | キッツ | 6.0% |
| 2 | 日鉄鉱業 | 4.8% |
| 3 | オルガノ | 4.6% |
| 4 | 大栄環境 | 4.5% |
| 5 | 扶桑化学工業 | 4.4% |
| 6 | 西華産業 | 4.2% |
| 7 | エクシオグループ | 4.2% |
| 8 | 大阪ソーダ | 3.8% |
| 9 | アズビル | 3.7% |
| 10 | アジアパイルホールディングス | 3.5% |
業種別配分
業種別では、機械が21.4%と最も高い比率を占めており、次いで電気機器が12.2%、サービス業が9.9%となっています。組入銘柄数は34銘柄と、集中投資と分散投資のバランスを取った運用が行われています。
株式の組入比率は96.2%と高く、ほぼフル投資に近い状態です。短期金融商品その他が3.8%となっており、機動的な売買に備えた現金ポジションも確保されています。
2026年の展望と運用方針
ファンドマネージャーは、今後の国内株式市場について高値圏でもみ合いの展開を予想しています。解散総選挙が決まったことで国内株のバリュエーションは上昇しましたが、さらなる上昇は難しいと見ています。
バリュエーションが維持できるかは、高市政権に対する高い支持率の持続性と、年央に公表される骨太の方針や成長戦略にかかっているとのことです。一方で、相対的な売り圧力の低さから株価が押し上げられている状況が続く場合、バブル化の可能性も意識する必要があると警鐘を鳴らしています。
運用方針としては、引き続き中小型・新興市場株の中から、高い技術力や優れた商品開発力、特徴あるビジネスモデル、事業構造の改革などに着目し、中長期的な利益成長が期待される企業の株式に投資する姿勢を継続します。
具体的には、2025年10〜12月期の決算内容を精査し、足元の業績進捗と今後の事業環境を見極めながら、中期的な利益成長に対する確信度が高いと判断した銘柄への集中度を高めていく方針です。
2026年は中小型株の年になるか
市場関係者の間では、2026年は中小型株が大型株を上回るパフォーマンスを上げる可能性があると予想されています。グローバル展開している大型株の上値がやや重くなる中、AI関連の小型成長株や好業績の内需小型株が注目されそうです。このファンドのような中小型株に特化した投資信託にとっては、追い風が吹く可能性があります。
投資する際の注意点
コストについて
このファンドの信託報酬は年率0.935%(税抜0.85%)です。インデックスファンドと比較すると高めの水準ですが、アクティブファンドとしては標準的な水準といえます。購入時手数料や信託財産留保額はありません。
リスク要因
中小型株は大型株と比べて値動きが大きくなる傾向があります。また、流動性リスクも高く、市場の急変時には売買が困難になる可能性があります。分散投資されているとはいえ、34銘柄という比較的集中したポートフォリオであるため、個別銘柄の影響を受けやすい側面もあります。
分配金について
このファンドは年2回決算を行いますが、最近5期の分配金はすべて0円となっています。つまり、分配金を出さずに再投資することで、複利効果を最大限活かす運用方針を取っています。定期的な現金収入を求める投資家には向いていませんが、長期的な資産成長を目指す投資家には適しています。
アクティブ運用の強みを活かした中小型株投資
スモール・モンスターズ・ジャパンは、設定来417%超の騰落率を記録し、参考指数を大きく上回るパフォーマンスを実現しているアクティブファンドです。2026年1月も1ヶ月で5.83%の上昇を記録し、好調を維持しています。
純資産総額は縮小傾向にあるものの、これは近年の低コストインデックスファンド人気の影響であり、運用力そのものが低下しているわけではありません。むしろ、ファンドマネージャーの目利き力を活かして、成長性の高い中小型株を厳選する運用スタイルが、長期的に市場平均を上回るリターンを生み出し続けています。
2026年は、多くの市場関係者が中小型株の年になる可能性を指摘しています。このような環境下で、このファンドのようなアクティブ運用の中小型株ファンドは、さらなる活躍が期待できるかもしれません。ただし、中小型株特有のリスクも理解した上で、長期投資の視点で検討することが重要です。

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