奈良の老舗・魚万が手掛ける「トリュフチョコみたいなさつま揚げ」を実際に食べてレビューします。
結論から言えば、私の一番のお気に入りはチョコナッツでした。甘み、香ばしさ、すり身のコクが三位一体となり、後を引く美味しさでした。
これは何?老舗が作る“見た目トリュフ、味は本格すり身”という発明。
魚万は明治創業の練り物の老舗です。そこが立ち上げた新ラインで、見た目はトリュフチョコのようにころんと丸く、ひと口サイズの創作さつま揚げを詰め合わせにしたのが本商品です。
八つの多彩なフレーバーを「一粒ずつ」味わえるので、ギフトはもちろん、自分用のちょい贅沢なおつまみにも向きます。
しかも公式では通販限定販売という割り切りも現代的で、冷蔵配送で届いた瞬間から特別感があります。見た目のサプライズと、食べてからの本格派。この二段階の驚きが忘れられない体験を作ってくれます。
トピック: 本品は「全国水産加工たべもの展」で農林水産大臣賞を受賞した評価作。見た目の奇抜さだけでなく、味づくりの技術がしっかり認められています。
ラインナップは全8種。甘い・しょっぱい・香ばしいが小粒に凝縮。
詰め合わせは次の8フレーバーが基本構成です。洋の香り、和の旨み、デザート的な楽しさが小さな一粒に仕立てられています。
- バジルチーズ
- ピンクハート
- チョコナッツ
- ピーナッツバター
- わか草コーン
- アヒージョボール
- 栗かぼちゃ
- ゆば巻
見た目は完全に“ボンボンショコラ”。
しかし噛むと、鯛・タラ・グチといった白身魚の旨みがじんわりと広がります。スイーツと惣菜の境界を軽やかに越境する、今の時代らしい遊び心を感じます。
最推しはチョコナッツ。甘香ばしさと魚のコクが調和する。
実際に食べ比べると、まずチョコナッツが頭ひとつ抜けて印象的でした。チョコの控えめな甘さとナッツの香ばしさが、すり身のやさしい旨みを邪魔せず、むしろ引き立てます。スイーツ寄りかと身構えても、後味はきちんと“練り物”。甘じょっぱさの臨界点を絶妙に見切った配合で、ワインにも珈琲にも寄り添う万能選手です。
他の粒も粒ぞろいです。アヒージョボールはガーリックとオイルの旨みがふわっと香り、白ワインが恋しくなる味。バジルチーズはイタリアン前菜のミニチュアのようで、バジルの青い香りとチーズのコクが好バランス。ピーナッツバターはナッティなコクが乗り、甘塩っぱい背徳感が楽しい。ゆば巻は和の上品さ代表で、だし系と合わせると滋味が引き立ちます。
食べ方のコツ:冷やしすぎない・一口で完結させない。
冷蔵で届きますが、食べる前に5〜10分だけ常温で戻すと、香りと食感がほどけて味が立ちます。ひと粒を一口で終わらせず、半分ずつ噛んで香りの立ち上がりを確かめると、フレーバーの設計がよく分かります。チョコナッツは珈琲と、アヒージョ・バジル系は白ワインやスパークリングと好相性。栗かぼちゃは緑茶や焙じ茶もおすすめです。
豆知識: 冷蔵の賞味期限はおよそ4〜5日。贈り物にする場合は、到着日から数日のうちに楽しめるシーンを選ぶと、ベストな状態で渡せます。
ギフト力が高い理由:第一印象で驚かせ、二口目で“技”を悟らせる。
ギフトで大事なのは「話題性」と「味の説得力」。本品は、まず箱を開けた瞬間のサプライズで場を温め、食べた直後に「これ、さつま揚げなの?」という会話を自然に生みます。さらに、白身魚の旨みや出汁のニュアンスがきちんと感じられるので、“映えだけ”に終わらない満足度が残ります。職場の差し入れ、家族の集まり、ワイン会の手土産など、幅広いシーンで映えるのも強みです。
購入のしかた・サイズ感・価格感。
販売は公式オンラインストア中心で、店頭常備ではない点に注意が必要です。詰め合わせは8個入りと16個入りが定番。価格は時期・販路で変動があるため一概に決め打ちしませんが、参考として、通年の「クラシック」8個入りで2,000円台前半〜3,000円台前半の事例、16個入りで3,000円台半ばの事例が見つかります。贈り物としては“高級菓子のアソート”に準ずるゾーンで、納得感のあるレンジだと思います。
買う前チェック: 要冷蔵・消費目安(4〜5日)・不在時の再配達可否、アレルゲン(乳・小麦・卵・ナッツなどフレーバー由来)を、各販売ページの原材料表示・発送条件で必ず確認してください。
“さつま揚げ×スイーツ発想”はなぜ美味しいのか?
鍵は油・甘み・うま味の三角形です。すり身を揚げることで油のコクが加わり、ナッツやチョコの甘み・香りがふくらみを作る。そこに白身魚由来のうま味が土台として効くので、甘じょっぱさが暴走せず、余韻がきれいに収束します。練り物そのもののポテンシャルを、スイーツ的な造形とペアリングで“再発見”させる設計だと感じました。
Q&A:よくある疑問に先回り。
- 本当に甘いの? 甘味寄りの粒(チョコナッツ、ピーナッツバターなど)もありますが、全体としては惣菜の旨みが軸です。
- お酒には合う? 白・泡・貴醸酒・熟成日本酒などと好相性。チョコナッツは珈琲や紅茶でも美味。
- 日持ちは? 冷蔵で数日。贈る相手の在宅日を事前に共有できるとベストです。
- 子どもも食べられる? ガーリックが効く粒(アヒージョ)などは様子を見て。甘めの粒は受けがよい印象です。
まずは8粒で世界観を体験し、次は16粒で“推し”を増やす。
「映えて美味しい」は、実は難易度が高い命題です。本品はそこを軽やかに越えてきます。見た目はトリュフチョコ、噛めば魚の旨み。最初の驚きで心をつかみ、次の一粒で練り物の奥行きを納得させる。私の最推しはチョコナッツでしたが、二番手・三番手もすぐに決まらないほど粒の完成度は高い。まずは8個入りで世界観を掴み、惚れたら16個入りで“推し”を増やす――そんな買い方をおすすめします。贈って喜ばれ、自分でも嬉しい。次の手土産候補に強く推せる一箱です。