京都北西の瑠璃光院。拝観できなかった日でも味わえた静かな贅沢

瑠璃光院 日本

京都・八瀬にある名刹「瑠璃光院」。

今回訪れた際には残念ながら拝観時期ではなく中に入ることはできませんでしたが、場所の歴史や庭園について少し調べてみたら、その情趣や背景への愛着がいっそう深まりました。

瑠璃光院って、どんなお寺?

瑠璃光院

正式には「無量寿山 光明寺 京都本院 瑠璃光院」とう寺院で、浄土真宗東本願寺派に属します。

本尊は阿弥陀如来です。かつては実業家・田中源太郎の別荘でした。大正末期から昭和初期にかけて、数寄屋造りの建物と庭園に大改築され、料亭や旅館として使われた歴史もあります。その後、2005年に岐阜の光明寺が買い取り、寺院として公開されるようになりました。権貴の避暑地が、やがて人々を癒す場所へと、その変遷が感じられます。

庭園の見どころと麗しき瑠璃の由来

瑠璃光院の魅力は、美しく設計された庭園たちにあります。まず山門をくぐると「山露路(やまろじ)の庭」が迎えてくれます。苔やモミジが織りなす風情ある庭路で、茶庵や十三重石塔が静かに佇んでいます。

書院の二階に座れば、「瑠璃の庭」が机や床に映り込む幻想的なリフレクションが広がります。漆黒に磨かれた座卓に、青もみじや紅葉が鏡のように浮かび上がる様子は、秋春問わず写真映えする名シーンです。

さらに「臥龍の庭」では、大岩を龍の頭に見立て、庭全体が龍の胴のように配されていて、鯉が穏やかに泳ぐ様子が風雅な印象を残します。

この景色を見たかったのですが、残念でした。適当に行ってはいけないですね。

八瀬のかま風呂という歴史の小さな豆知識

豆知識:「八瀬」という地名には、672年の壬申の乱で背に矢を受けた大海人皇子(天武天皇)が、この地でかま風呂(蒸し風呂)に入り癒したことに由来するという伝承があります。この「八瀬のかま風呂」は、寺の境内の一角でも見学できる小さな遺構としても注目されています。

春夏秋だけの特別拝観とアクセス

瑠璃光院は通常は非公開ですが、春・夏・秋の時期に特別拝観が行われます。2025年は春が4月15日〜5月31日、夏は7月1日〜8月17日の予定です(その他の時期は公式情報をご確認ください)。紅葉の時期には予約制となる場合もあり、拝観には注意が必要です。

アクセスは、叡山電車「八瀬比叡山口」駅から徒歩およそ5〜13分、高野川沿いの山道を歩くと山門へと導かれます。駐車場はないので公共交通機関の利用が推奨されています。

見れなかったが周囲の景色もよい

ケーブルカー

今回、拝観はかないませんでしたが、そこに延びる道や川のせせらぎ、木々の佇まいすべてが「何かがある」空気を醸していました。拝観はできなかったのですが、周辺をゆっくり見ました。

次に訪れるときは、苔の庭やリフレクション、お茶室、そして拝観中の静けさをゆっくり味わってみたいと思います。

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