匠のファンド かいほう の月次レポートを確認しました。
最初に押さえるべきはこのファンドの性格
匠のファンド かいほう は、集中度が高い運用であることが数字から見えます。
組入銘柄数は17銘柄で、上場株式の比率が高く、現金その他は控えめです。広く薄く当てに行くより、当てたいところに寄せるタイプです。
豆知識月次レポートは文章より先に配分を見たほうが早いです。株式比率が高く銘柄数が少ないほど、運用者の見立てが当たり外れを直撃します。
今月の相場観は短いほど本音が濃い
レポートでは、11月の市場をバリュー優位の月として整理しています。TOPIXがプラスで、グロース系指数が弱いという対比は、単なる結果説明に見えます。ですが、集中型のファンドがこの言い方をするときは、運用者がどの風を追うかを宣言している可能性があります。成長物語が強い月に無理して追いかけない。逆に、金利や景気循環の匂いがする領域に勝ち筋を見ている。こうした体温が、淡々とした文章の裏に潜みます。
業種配分を見ると運用者の胃袋がわかる
匠のファンド かいほう の業種配分は、銀行業の比率が大きく、電気機器、金属製品、建設業、機械などが続きます。これを見て感じるのは、指数の中心を買うというより、循環と資本効率の改善に賭けている匂いです。銀行が重いということは、金利や景気の温度に強く影響されます。電気機器や金属製品は、需給や投資サイクルで表情が変わります。
ここでのポイントは、配分が良い悪いではありません。自分のリスク許容度と一致するかです。
銘柄名が出ない月次でも読めるものがある
上位銘柄について、銘柄名が非公開で、業種と比率、スコアだけが示される形式は、個人投資家には物足りないかもしれません。
銘柄名がなくても、比率の大きさは語ります。特定業種が上位で大きいなら、そこが主砲です。主砲が何かを知れば、相場のどんな変化が痛いかが想像できます。さらに、レポートには重点対話先に指定という考え方が書かれています。これは、買って待つだけではなく、企業との対話を通じて価値の顕在化を狙う姿勢です。
アルファスコアの配点変更は運用者の心の声
この月次で特に読み応えがあるのは、アルファスコアの算出ロジックを調整した話です。下方向の評価を厚くし、上方向の評価を少し抑えるように配点を変えたと述べています。
相場が高いと感じる局面では、守りに入る選択肢もあります。ですが、このレポートは、単に守るだけではなく、低いマルチプルがアップサイドになり得るという考え方も並べています。荒天を想定して設計を変えるファンドは、少なくとも自分の弱点を理解しています。
月次レポートを読むと投資がうまくなる理由
月次レポートを読む習慣は、当てる技術より、ブレない技術を鍛えます。市場は毎日ニュースを投げてきます。今日の正解が明日には逆になることもあります。そんな環境で必要なのは、情報の洪水に溺れずに、判断の型を維持する力です。
匠のファンド かいほう の月次から学べるのは、勝っている月の自慢ではなく、勝っているときにこそ次の負けを防ぐ設計を考える姿勢です。相場が高いという警戒を言語化しつつ、割安領域で爆発を狙うという矛盾を、ロジックの調整で両立させようとしています。私はここに熱量を感じます。

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