日本国債30年のチャートでわかること。株と円が崩れる前に気づく読み方

株式

30年債の利回りは、景気の良し悪しだけでは動かず、国の財政への評価、市場の安心感、金融政策への信頼までをまとめて映します。

だから、30年債のチャートを読めるようになると、株や円の急変で後手を踏む確率が下がります。

30年債チャートは価格ではなく利回りを見ている

利回りが上がるほど国債価格は下がっています。ここを取り違えると判断が逆になります。株のチャートは上がるほど良いと感じやすいですが、30年債の利回りは上がるほど資金調達コストが上がり、国債市場の緊張が高まっている可能性が増えます。つまり、利回りの上昇は状況によっては危険信号です。

10年より先に危険が出ることがある

10年債は日銀の政策や市場の流動性の影響を受けやすい一方、30年債は買い手が限られます。生命保険や年金など、超長期の資金が主な買い手になりやすいからです。

この買い手が慎重になると、利回りが急に上がります。これは、国の長期の資金繰りに対する市場の要求が厳しくなったサインになり得ます。株式市場はその後で反応しやすいので、30年債は先に見る価値があります。

チャートの水準と速度と形と収まり方

30年債を読むときに細かいテクニカルは不要です。見るのは4点だけで足ります。水準、速度、形、収まり方です。

見る点 何を意味するか 見落とすと起きる失敗 実務での使い方
水準 利回りの絶対値が高いか低いか 高い株価のまま塩漬け 高水準なら高PERの比率を落とす
速度 利回りが短期間で跳ねたかどうか 急騰の直後に買い増す 急騰があったらポジションを軽くする
上昇トレンドか、レンジか、天井打ちか 反転したと思い込んで戻り売りに巻き込まれる 形が崩れるまで方向転換を急がない
収まり方 荒れた後に落ち着いたか、荒れが続くか 荒れているのに株を深追いして損失が拡大 落ち着くまで勝負を小さくする

いまの状況をどう読むか 急騰が一度起きて高い場所で居座っている

2026年2月上旬、日本国債30年の利回りは3.566で、直近の動きは前日比プラス0.017です。チャートの形は、長期的に右肩上がりの中で、1月途中で一度大きく跳ね上がり、その後も高い水準で推移しているように見えます。

これは、警戒ゾーンです。急騰が一回起きた後は、同じ材料が少し再燃しただけで二段目が出やすいからです。

チャートで起きていること 市場の心理として起こりやすいこと 株で起きやすい現象
利回りが上昇トレンドにある 資金調達コストが上がる方向への意識が残る 高PERが評価されにくくなる
途中で急騰が一度起きた 需給が薄い場面で値が飛ぶ記憶が残る 急落時の下げが速くなる
急騰後も高い水準に居座る 落ち着いたように見えても緊張が解けていない 株高でも深追いが危険になる

この3段階だけで十分

下の表は、30年債の利回りがどの状態なら株を攻めてよいかを決めるための基準です。

30年債利回りの状態 判定 株の行動 避けるべきこと
高水準で日々の上下が大きい(今これです) 警戒 勝負を小さくし、買い増しを控える 高PER銘柄の集中と、下げたら買うの連発
高水準だが値動きが落ち着いて横ばい 様子見 短期なら乗ってもよいが、利確を早めに置く 上がるほど追いかけること
水準が下がり、戻りも穏やか 安定 リスクを取りやすく、保有期間も伸ばしやすい 急騰局面の記憶を無視すること

同じ企業でも金利次第で危険になる

高PERとは、利益に対して株価が高く評価されている状態です。高PERそのものが悪ではありません。成長が強く、将来の利益が増えるなら正当化されます。

ただし、金利が上がる局面では将来の利益の価値が目減りしやすく、評価が縮みます。30年債の利回りが高止まりしている間は、高PER銘柄が一番脆くなりやすいというだけです。

状況 高PER銘柄 銀行保険など金利に強い銘柄 あなたの実務判断
30年債利回りが上昇しやすい 評価が縮みやすい 相対的に耐性が出やすい 高PER比率を落として偏りを減らす
30年債利回りが落ち着く 評価が維持されやすい 優位が薄れることもある 成長株を増やすならこの局面

30年債の見方

30年債チャートは、急騰のまま高い位置にいる形です。買い増しをしない、追いかけない、ポジションサイズを落とす、利確を早めに置く、という意味です。株が上がっている日でも、30年債が警戒のままなら深追いしない方が損失を避けやすいです。

30年債が下がるか上がるかを当てるのではなく、荒れが収まったかどうかを見ることです。具体的には、数日単位で値動きが小さくなり、急な跳ねが出なくなったかを確認します。収まってきたなら短期勝負の許容度が上がります。収まらないなら現金比率を高め、主力を金利耐性のある銘柄に寄せ、高PERの比率を下げるのが合理的です。

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