最近、日本株の銘柄コードが157Aみたいになっていて、正直うわっとなりますよね。
以前は9968のように、千の位から何となく業種がわかりましたが、いまはその感覚が通用しにくくなっています。気持ち悪さの正体は、ルールが見えないことと、こちらの脳が勝手に意味付けしてしまうことにあります。
157AのAに業種の意味はない
157Aのような英文字入りの証券コードは、証券コード協議会が定める株式固有名コードの運用変更の結果として登場しました。
英文字は企業の中身を表すためではなく、あくまで識別子の組み合わせを増やすために使われています。つまり、Aだから何かがAランクという話でも、AI企業だからAという話でもありません。
何が変わったのか
従来、日本の上場株式等のコードは数字4けたが基本でしたが、2024-01-01以降に設定する株式固有名コードから英文字を組み入れる方針が公表され、実際に運用されています。
既に設定済みのコードが一斉に置き換わるわけではなく、既存銘柄のコードは原則そのままです。いきなり全員の背番号が変わる地獄ではなく、新しく背番号を配るときからアルファベットも使うようになった、という理解が最も近いです。
豆知識:この運用を決めるのは個別の証券会社ではなく、証券コード協議会の事務局です。取引所や証券保管振替機構などで構成される組織として、体系や付番ルールを公開しています。
当面のルール
- 英文字入りコードは、2024年1月以降に設定する株式固有名コードから適用されます。
- 英文字は業種や企業特性を表しません。識別のための文字です。
- 使用する英文字は、英大文字のうちB、E、I、O、Q、V、Zを除いた19文字です。
ここがポイントで、ルールを細かく覚えるよりも、上の3点を押さえるだけで日常の困りごとはだいぶ減ります。
では、英文字はどこに入るのか。ルール上の位置だけ整理します。
株式固有名コードは4けたで、英文字は先頭から2けた目と4けた目のいずれか、もしくは両方に使う設計です。例として987A、9A76、9A7Aのような形が案内されています。
ここで重要なのは、157Aのような末尾英文字だけが唯一の形だと決めつけないことです。見慣れない形が出ても、仕様としては想定内です。
なぜ気持ち悪いのか
数字だけの4けたは、慣れると地図みたいになります。7203を見て自動車、8306を見て銀行、9983を見て小売、といった連想は、厳密な制度というより長年の割り当ての記憶と経験が作った感覚でした。ここで嫌悪感が出るのは自然です。投資家の脳は、分からないものに対してコストを支払うのが嫌いだからです。
もう1つの原因は、過去の便利な雑学が効かなくなることです。千の位で業種の目安が分かる、という感覚は確かにありましたが、それが通用する世界から、通用しない世界に切り替わる瞬間は、だいたい気持ち悪いです。慣れたショートカットが潰れると、毎回フルチェックが必要になり、脳が疲れます。気持ち悪さの正体は、直感の精度が高いせいで起きるコスト増です。
実務で困るところ
英文字入りコードで本当に困るのは感情ではなく、ツールの対応です。とくに古いスクリーナー、古いウォッチリスト、CSVの取り込み、エクセルの自動変換が地味に危険です。157Aを数字として扱おうとして失敗したり、先頭ゼロがある形を勝手に落としたり、想定外の型変換で検索できなくなったりします。ここで時間を溶かすのが一番もったいないです。
- スクリーナーで検索できない場合は、コードではなく銘柄名検索に切り替えると回避しやすいです。
- CSVや表計算では、コード列を文字列として扱う設定にすると事故が減ります。
- 社内ツールや自作スプレッドシートは、コードのバリデーションが数字4けた固定になっていないか確認すると安全です。
Aが気持ち悪いのは正常ですが、ルールはシンプル
157AのAに業種の意味はありません。
気持ち悪さは分からないものに意味を見いだそうとする人間の仕様なので、そこに悩む時間は機会コストです。コードを推測に使うのをやめて、一次情報とツール整備に寄せるだけで、いまの違和感は投資の武器に変わります。


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