東京と大阪を結ぶ新幹線は、多くの方が利用される日本の大動脈ですね。特に、出張や旅行で座席を確実に確保したい場合には、指定席が欠かせません。でも、「新幹線のチケットって、どう予約するのが一番お得なの?」とか、「スマートEXとエクスプレス予約って何が違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問にお答えするため、東京ー大阪間の新幹線指定席予約に焦点を当てて、「スマートEX」と「エクスプレス予約」を徹底比較します。そして、気になる年会費の元が取れる「損益分岐点」はどこにあるのか、さらに謎多き「e特急券」を使うとどうお得になるのかを、分かりやすく解説していきます。
新幹線での移動が多いあなたも、たまにしか乗らないあなたも、きっと「なるほど!」と思える情報があるはずです。
スマートEX vs エクスプレス予約:指定席予約の基本比較
まずは、指定席を予約する上での、スマートEXとエクスプレス予約の基本的な違いを表で確認しましょう。
項目 | スマートEX | エクスプレス予約 |
---|---|---|
利用資格 | クレジットカードをお持ちの方なら誰でも | 対象のクレジットカード会員(年会費必要) |
年会費 | 無料 | 1,100円(税込) |
指定席料金 | 基本的に通常の指定席料金と同等(一部割引商品あり) | 会員向け割引指定席料金、早期購入割引(「早特」商品)が充実 |
予約可能期間 | 1ヶ月前10:00~乗車直前 | 1ヶ月前10:00~乗車直前 |
変更手数料 | 無料(回数制限あり) | 無料 |
チケット受取 | ICカード登録でチケットレス、または駅で受取 | ICカード登録でチケットレス、または駅で受取(一部専用機) |
一番の違いは、エクスプレス予約には年会費(1,100円)がかかる代わりに、スマートEXよりもお得な会員向け割引や、予約時期に応じた「早特」という強力な割引商品が用意されている点です。スマートEXは年会費無料なので、誰でも手軽に始められますね。
東京ー大阪間 指定席料金比較
東京ー大阪間の新幹線指定席料金は、実は常に一定ではありません。ご利用になる曜日、時期(年末年始、お盆など)、さらには列車の時間帯や需給によって細かく変動します。
ここでは、比較のために、お客様にご提示いただいた価格例を基に進めます。(実際の料金は予約時期・ご利用日により変動しますので、必ずご自身でご確認ください)。
購入方法 | 片道料金(例) | 年会費 | 備考 |
---|---|---|---|
通常きっぷ(窓口) | 14,720円 | なし | 駅の窓口などで購入する基準価格の例 |
スマートEX | 14,520円 | なし | ネット予約で窓口より若干安い場合の例 |
エクスプレス予約 | 14,230円 | 1,100円(税込) | 会員割引適用価格の例 |
この例を見ると、スマートEXは窓口で購入するよりわずかに安く、さらにエクスプレス予約はスマートEXよりさらに安くなっていることが分かります。この例の場合、エクスプレス予約はスマートEXと比較して、片道あたり 14,520円 – 14,230円 = 290円 お得です。
年1回往復する人の損益分岐点【考え方】
エクスプレス予約の年会費1,100円を、先ほどの例で見た「片道あたり290円の割引」だけで回収するには、年間に何回東京ー大阪間を指定席で往復すれば良いでしょうか?計算してみましょう。
- エクスプレス予約の年会費:1,100円
- (例)片道あたりの割引額(エクスプレス予約 vs スマートEX):290円
- (例)往復あたりの割引額:290円 × 2 = 580円
年会費1,100円 ÷ (例)往復あたりの割引額580円 = 約1.89回
つまり、この例に基づくと、基本的なエクスプレス予約の会員割引指定席料金だけで年会費の元を取るには、年間に2回以上(往復) 東京ー大阪間を指定席で利用する必要がある、ということになります。年1回の往復(片道2回)だけでは、この基本割引だけでは年会費の元は取れない計算になりますね。
豆知識: 新幹線の運賃・料金は、繁忙期と閑散期によって変動します。そのため、上記の価格や割引額はあくまで一例であり、実際の差額は常に290円とは限りません。ご自身が乗る日の正確な価格は、必ず予約サイトで確認しましょう。
早特商品なら、少ない回数でも元が取れる!
「年に2回も往復しないから、エクスプレス予約は私には関係ないかな…」と思ったあなた、まだ諦めるのは早いです! エクスプレス予約の最大のメリットは、年会費が必要な会員だけが購入できる「早特」商品にあります。
早特とは、〇日前までに予約することで、指定席料金が大きく割引される商品の総称です。代表的なものに以下のようなものがあります。
- EX早特21: 21日前までの予約で大幅割引! 東京ー大阪間が驚くほど安くなることも。
- EX早特: 3日前までの予約でも利用できる場合が多い早特。
- その他、特定の列車(こだま・ひかり)や、グリーン車をお得に利用できる早特などもあります。
これらの早特商品は、購入期限や利用できる列車、期間などに制限がありますが、片道あたり1,000円や、時期によっては数千円規模の割引が適用されることも珍しくありません。もし、年1回の往復であっても、こうした早特商品をご自身の予定に合わせて利用できれば、たった1回の往復(片道2回)で年会費1,100円以上の割引を十分に受けることが可能です。
例えば、片道の早特で指定席料金が1,500円割引になる切符が見つかったとします。往復なら3,000円の割引です。年会費1,100円を払っても1,900円もお得になります。これは大きいですよね!
よくわからない「e特急券」とは?どうお得になるの?
次に、少し複雑に感じるかもしれない「e特急券」について解説します。これも、エクスプレス予約会員だけが購入できる特別な切符です。
一番重要なポイントは、e特急券は「乗車券」を含まないということです。 e特急券だけでは新幹線に乗れません。新幹線指定席に乗るためには、これとは別に「乗車券」を別途用意する必要があります。
お客様からいただいた例の価格構成を見てみましょう。
- e特急券(指定席):特急料金:5,320円
- 別途必要な乗車券:8,910円
- 合計:5,320円(e特急券) + 8,910円(乗車券) = 14,230円
この例の場合、e特急券の特急料金は5,320円で、これに別途8,910円の乗車券を加えると合計14,230円になります。これは、先ほどのエクスプレス予約で「運賃+特急料金」をセットで購入した場合の価格例(14,230円)と同じですね。
では、e特急券のメリットはどこにあるのでしょうか? お客様の例の価格構成に基づくと、主なメリットは単に特急料金部分が最も安くなるというよりも、以下のような場合に「特急券部分だけを切り離して購入できる」点にあります。
- 別途割引乗車券を持っている場合: 例えば、株主優待割引が適用された乗車券や、特定の企画乗車券など、乗車券部分を既に安く手に入れている場合に有効です。この「安い乗車券」に、新幹線の特急料金部分であるe特急券(例では5,320円)を組み合わせることで、全体としてお得になります。通常の特急料金部分(窓口/スマートEXの例から推測すると約5,810円)と比較すると、e特急券の特急料金は安価に設定されています。
- 会計処理や旅程の都合で、特急券と乗車券を分けたい場合: 出張で乗車券は会社から支給される、特急券だけ自分で支払う、といった場合や、長距離の乗車券で途中下車をしながら、区間ごとに新幹線の特急券(e特急券)だけを利用したい場合などに便利です。(途中下車のルールにはご注意ください。)
このように、e特急券は、乗車券と特急券を別々に管理したい場合や、何らかの割引乗車券と組み合わせる場合に力を発揮する、やや応用的な使い方と言えます。東京ー大阪間を指定席でシンプルに往復するだけであれば、エクスプレス予約で「運賃+特急料金」がセットになったチケットを予約するのが、価格も同じ例であり、手続きも簡単で分かりやすいでしょう。
あなたに合うのはどっち?
スマートEXとエクスプレス予約、そしてe特急券。それぞれの特徴を踏まえると、あなたに合うサービスが見えてきます。
- スマートEXがおすすめの人:
- 新幹線(特に指定席)の利用が年に1回あるかないかなど、ごく稀な方。
- 早特などを利用する機会がほとんどない方。
- とにかく手軽にネット予約したい方。
- 年会費は一切払いたくない方。
- エクスプレス予約がおすすめの人:
- 年1回でも東京ー大阪間の指定席を利用する可能性があり、かつ早めに予約できることが多い方。(早特を利用できるチャンス大!)
- 年間に複数回(例示した基本割引なら2回以上)新幹線を指定席で利用する方。
- グリーン車を指定席で利用する機会がある方。
- e特急券を活用したい特定の理由がある方(割引乗車券との併用など)。
エクスプレス予約は年会費がかかりますが、特に「早特」の割引率は非常に魅力的です。基本的な会員割引だけでは年会費の元を取るのに年2回以上の往復が必要になる例をご紹介しましたが、早特を上手く活用できれば、年1回の往復でも年会費以上のメリットを十分享受できます。
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