2025年の日本では、家計を直撃する物価高がついに「生活防衛の限界ライン」を超えつつあります。金融庁の最新調査では、多重債務者が147万人と急増し、同時に日常の買い物における値上げもかつてない速度で進行しています。
次の2つの記事は、世相を掴むのにとても良いと感じました。


多重債務者が147万人に急増。物価高が影響か
3件以上の業者から借金する多重債務者が今年3月末時点で147万人に急増し…物価高が影響した恐れがあり、深刻化が懸念される。(共同通信 2025/12/06)
共同通信の報道によると、2021年3月末に114万人まで減っていた多重債務者は、2025年には147万人へと3割近く増加しました。わずか4年で33万人増という数字は、家計の急激な悪化を象徴しています。
さらに深刻なのは、多重債務が背景とされる自殺者数が2024年には853人に達した点です。金利上昇や物価高、実質賃金の低下が重なれば、生活のキャッシュフローは容易に破綻します。
豆知識: 多重債務の統計で使われる「3件以上の借入」には、カードローン、消費者金融、信販系ローンなどが含まれ、特に少額・短期間での借入が連鎖しやすい仕組みがあります。
総量規制すり抜けの疑いも浮上
複数の貸金業者にほぼ同時に申し込むことで、情報が反映される前に借りる人が増えた可能性が指摘されている。(共同通信)
信用情報の遅延を突いた「瞬間多重申込」は、審査の穴として以前から指摘されてきました。物価高により生活費が圧迫される中、この手法に頼る人が増加している可能性があります。
身近な消費の現実。スーパーとコンビニの価格差は486円に拡大
日々の出費でも深刻な変化が起きています。2022年から定点観測されている「スーパーVSコンビニ」の価格比較によると、2025年はついに差額が500円近くに達しました。
セブンイレブンで1732円、西友で1246円。その差は486円
セブンイレブン……1732円 西友……1246円 コンビニとスーパーの価格差は486円!!!!!!!!!!(価格比較記事)
同じ8商品を買っただけで約500円も差が出る時代になりました。特に飲料やスナック類の値上げが顕著で、ポッキーは1年で50円上昇、飲料もほぼ毎年のように価格改定が続いています。
ポイント: コンビニの値段は店舗コスト・物流・廃棄リスクが上乗せされるため、原価高騰がそのまま顧客価格に反映されやすい傾向があります。
価格は上がるが、給料は上がらない。家計はますます詰む
4年間の推移を見ると、セブンは1428円→1732円、西友は1021円→1246円と、どちらも20パーセント超の値上げです。しかし、同期間で賃金が20パーセント上がったという人はほぼいません。
年収300万円が、20%上がると年収360万円ですが1年ごとに15万円づつ上がる計算になります。もちろん、そんなことにはなっていません。
つまり、実質賃金の低下を前提とした生活防衛が必須の時代に突入しています。
なぜ今これほど苦しくなっているのか
2つの記事を統合すると、家計を追い詰める構造が見えてきます。
- 物価高(食品・飲料・原材料・輸入コスト)
- 実質賃金の低迷
- 生活費の不足を補うための借入増加
- 多重債務の増加と返済不能リスクの拡大
本来なら所得が物価に追いつくべきですが、2021〜2025年の日本では逆方向に進んでいるため、破綻リスクは個人でも企業でも高まり続けています。
個人ができる対策。結局「固定費の最適化」が最重要
日常消費の単価差が生活を圧迫するので、支出の固定部分を徹底的に見直す必要があります。
特に効果が大きいのは次の3つ
- 飲料・菓子・日用品はスーパーかドラッグストアで買う
- サブスク・通信費・保険など固定費を年1回必ず見直す
- キャッシュレス明細を毎月チェックし「無意識の浪費」を遮断する
物価はさらに上昇する可能性が高く、逆に賃金は構造上すぐには上がりません。現実的には「支出の構造改革」をしない限り、生活防衛は難しくなる一方です。
ギリギリだがどうすればよいのかわからない、節約しかないのか
多重債務者が147万人に増加し、自殺者も増えているという現実は、社会全体がギリギリの状態にあることを示しています。一方で、日常の買い物すら平均500円の差がつき、家計の圧迫は目に見える形で進行中です。
厳しい状況ではありますが、支出の最適化や生活習慣の調整によって家計は確実に改善できます。小さな行動の積み重ねが、未来の安心をつくる第一歩になります。


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