東京駅のラーメンストリートに、新たに仲間入りした「津軽煮干 ひらこ屋」と「みそきん」について、まずは最新情報をおさらいします。
東京駅に新登場:「ひらこ屋」と「みそきん」
- 青森の煮干しラーメン名店「津軽煮干 ひらこ屋」が常設店としてオープン。濃厚ながら後味すっきりの煮干しスープと中太麺が魅力です。
- 人気カップ麺「みそきん」(HIKAKIN監修)がリアル店舗として上陸。豚骨と鶏ガラのWスープに、新潟白味噌ベースの特製ダレを合わせた一杯が楽しめます。
朝10:30の“ニボラーあるある”、ひらこ屋はさすがの行列
煮干しラーメン好きとして「ひらこ屋」に向かいましたが、到着時点で既に20人待ち。
朝から行列を見て心が折れ、ここはもうライトな煮干しでいいかと開き直って「玉(ギョク)」へ移動しました。
玉の煮干しラーメン(1,030円)を実食
ほど良いニボ感とほど良い濃さ。濃厚すぎる煮干しばかり好んでいた私には「薄め」と感じるくらいのライトな煮干しスープが、むしろちょうどいい。
まるで濃厚味ばかりの喧噪の中でふと聞こえる囁きのように、静かに美味しいが語りかけてくる一杯でした。
味の特色
- やわらかな旨味のささやき:煮干しの輪郭が際立ちつつ重すぎない、優しい味わい。
- 胃にやさしい濃淡:じんわり染み渡る旨味だが、重く残らないクリーンな余韻。
- バランス感覚が光る構成:麺・スープ・具材の調和が整っている。
仕上げの楽しみ方
終盤、スープに酢をひと回し。備え付けのタクアンを沈めてからスープを飲むと、酸味が煮干しの旨味をやさしく引き立て、タクアンのコリコリ感がアクセントに。
最後の一口が、まるでラーメン界のヒールを脱いで裸足で芝生に立った瞬間のような解放感に包まれます。まったく意味のわからない比喩ですが、さっぱりしているということです。
惜しいポイントも
- 他店は満席の中、「玉」は客が2人のみという静けさ。
- お冷がずっと置かれていて埃が入りそう、椅子がボロボロといった内装面の課題。
味は美味しいのに、雰囲気や見た目で敬遠されてしまう“惜しい要素”を感じます。
味は◎、雰囲気は課題あり
「ひらこ屋」の本気煮干しを逃した悔しさを、おだやかな「玉」の一杯で癒す。
そんな静かな救済を感じた、忘れられない朝のラーメン体験でした。行列を避けて、静かに煮干しを味わいたい人にはおすすめの一杯です。