短期の金価格は、その瞬間に売る人と買う人のぶつかり合いで決まります。長期の金価格は、資産配分として金にどれだけ割り当てられるかで決まります。
金価格の6400ドルの到達時間を、機械的計算と流通具合で算出しています。
金の上限価格のモデル
上限価格の分母を固定の有効供給ではなく、自由に市場へ出てくる量にする。分子の割当は一年で流入するフローではなく、長期の保有構造としての配分幅と定義します。
分母を自由流通供給にする
バーとコインとETFなどの合計を48,634トンと置き、オンスに直すと約15.6億オンスとして分母に置く。このままだと、市場に出てくる割合が無視されます。そこで流通係数fを入れます。自由流通供給は15.6億オンスにfを掛けたものとします。
| 項目 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| 有効供給 | 48,634トン | 投資に回りやすい塊の目安 |
| オンス換算 | 約15.6億オンス | 計算の分母の原型 |
| 流通係数f | 0より大きく1より小さい | 実際に売り買いされ得る割合 |
| 自由流通供給 | 15.6億オンス×f | 価格決定に効く分母 |
fが下がると、同じ買いでも価格が飛びやすくなります。fが上がると、高値で売りが出て価格は伸びにくくなります。ここが短期の限界フローの説明とつながります。
分子の割当はフローではなくストック配分として読む
分子の100兆ドルという桁と、10パーセント割当という数字は、一年で流れ込む金額ではありません。短期の需給表が年5,000トン程度でも、長期で保有構造が変われば到達域としては両立します。
| 仮定 | 数値 | 読み方 |
|---|---|---|
| グローバルマネー供給の桁 | 約100兆ドル級 | 世界の流動性の大きさの目安 |
| 金への割当比率 | 10パーセント 15パーセント 20パーセント | 一年のフローではなく保有構造の比率 |
| 価格の式 | 価格は割当金額を自由流通供給で割る | 上限域のスケール感を出す |
数値で見る、上限価格6400ドルの意味
分母は15.6億オンス×fです。
まずは分かりやすく、fを1と置いたスケール感を出します。次にfが動くとどうズレるかを述べます。
| 割当比率 | 割当金額の目安 | 分母の目安 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| 10パーセント | 100兆ドル×0.10 | 15.6億オンス | 約6,400ドル |
| 15パーセント | 100兆ドル×0.15 | 15.6億オンス | 約9,600ドル |
| 20パーセント | 100兆ドル×0.20 | 15.6億オンス | 約12,800ドル |
この表が言っているのは、今日の適正価格ではありません。長期の保有構造が金へどれだけ偏るかで、到達域の桁が変わることを示しています。
現実の価格は短期の限界フローで上下し、長期の上限域へ近づいたり離れたりします。
では6400ドルにいつ到達するのか
過去の時間経過から予想した機械的算出で到達時期を予想しています。
2025年初の金価格は2,644.60ドル。2026年1月21日の金価格は4,860.75ドル。この二点から、直近一年の倍率は1.838倍です。目標6,400ドルに必要な倍率は1.316倍です。
| 項目 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| 2025年初 | 2,644.60ドル | 起点 |
| 2026年1月21日 | 4,860.75ドル | 直近水準 |
| 一年倍率 | 1.838倍 | 2,644.60から4,860.75への増加率 |
| 目標 | 6,400ドル | 上限レンジAの中心値 |
| 必要倍率 | 1.316倍 | 4,860.75から6,400への増加率 |
方式A 指数で到達月を出す
一年の成長率が同じだと仮定します。
必要年数は0.45年で、月にすると約5.4か月です。起点を2026年1月21日とみなすと、2026年6月上旬から中旬が機械的な到達目安になります。
方式B 線形で到達月を出す
一年の上昇幅で直線的に伸びると仮定します。
一年の上昇幅は2,216.15ドルです。6,400までの残りは1,539.25ドルです。必要年数は0.69年で、月にすると約8.3か月です。起点を2026年1月21日とみなすと、2026年9月下旬から10月上旬が目安になります。
| 外挿方法 | 必要時間 | 到達目安 | 前提 |
|---|---|---|---|
| 指数外挿 | 0.45年 約5.4か月 | 2026年6月上旬から中旬 | 成長率が同じ |
| 線形外挿 | 0.69年 約8.3か月 | 2026年9月下旬から10月上旬 | 上昇幅が同じ |
流通で到達時間が動く、fの概念を時間に混ぜる
ここまでの2つの予想は、流通状態が変わらない、つまりfが一定という仮定です。
現実には、高値で利確が増えればfは上がり、準通貨化で売らない化が進めばfは下がります。これを時間に混ぜるため、速度係数kを置きます。kが大きいほど鈍化し、kが小さいほど加速します。ここでは例としてkを0.8、1.0、1.3で動かしてレンジを出します。
| ケース | 速度係数k | 意味 | 指数外挿の到達 | 線形外挿の到達 |
|---|---|---|---|---|
| 加速 | 0.8 | 売らない化が進み流通が締まる | 約4.3か月で到達 2026年5月末から6月上旬 | 約6.6か月で到達 2026年8月上旬 |
| 中立 | 1.0 | 流通が大きく変わらない | 約5.4か月で到達 2026年6月上旬から中旬 | 約8.3か月で到達 2026年9月下旬から10月上旬 |
| 鈍化 | 1.3 | 高値で売りが出て流通が増える | 約7.0か月で到達 2026年8月上旬 | 約10.8か月で到達 2026年12月上旬 |
これが、上限の外枠としてのストック再配分モデルと、短期の限界フローの説明を整合させたまま、6400ドルの到達時間です。
おおよそ基準で、2026年6月から10月で金価格6,400ドルがやってくることになります
金6400ドルは上限域の目安、今日の適正ではない
短期の価格は限界フローで決まり、長期の上限は資産配分の再配分で決まります。上限モデルを整合させるには、分母を自由流通供給にし、割当は一年のフローではなく保有構造の比率として読む必要があります。
その上で、直近一年の上昇だけで機械的に計算すると、6400ドル到達は指数で2026年6月上旬から中旬、線形外挿で2026年9月下旬から10月上旬です。
国際情勢の悪化、アメリカと中国、EU、ロシアという因子がいまのところ大きそうですが、ここは予想できません。

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