SBI岡三アセットマネジメントが運用するROBOPROファンドは、2023年12月に設定されてから約2年で基準価額が大きく成長し、投資家から注目を集めています。
このROBOPROファンドの仕組みや最新の運用状況、そして気になるリスクまで、初心者にも分かりやすく解説していきます。
ROBOPROファンドとは何か
ROBOPROファンドは、AIの予測技術を活用して世界中の資産に分散投資する追加型投資信託です。SBI岡三アセットマネジメント株式会社が運用を行い、株式会社FOLIOがAIによる投資配分の助言を担う仕組みになっています。
最大の特徴は、人間のファンドマネージャーが直感や経験で投資判断を行うのではなく、AIが膨大なマーケットデータを解析して、将来のリターン予測をもとに資産配分を決定する点です。感情に左右されない合理的な投資判断が期待できるとして、多くの投資家から関心を集めています。
2026年1月30日現在の基準価額は14,657円(設定時は10,000円)、純資産総額は2,784.1億円に達しており、2,000億円を超える規模感からも、投資家の信頼を着実に集めていることが分かります。また、NISAの成長投資枠にも対応しており、税制優遇を活用した長期投資にも適した商品です。
AIが予測する仕組みとは
先行指標分析で市場を先読みする
ROBOPROが他のファンドと根本的に異なるのは、その意思決定プロセスです。AIは約1,000の特徴量を組み合わせて、多角的にマーケットデータを解析します。参考とするデータには、日本株・米国株・ドル/円・米国債・ハイイールド債券・原油・金・銅など、幅広い先行性の高い指標が含まれています(実際には40以上のデータを活用)。
特に注目すべきは、これらのデータが「現在の市場状況」だけでなく「将来のリターン予測」に活用される点です。先行性のあるデータを用いることで、相場の転換点を早期にとらえ、ポートフォリオを機動的に調整することが可能になります。
機械学習で予測精度を継続的に改善
さらに、ROBOPROは機械学習によってモデルを継続的に改善していく仕組みを持っています。市場の変動要因やその傾向を分析・学習し、合理的かつ効率的に予測モデルの改良を続けるため、年月の経過とともに予測精度の向上が期待できるという点も大きな強みです。人間の運用担当者が変わることによるパフォーマンスのブレが生じにくいのも、AIならではのメリットといえます。
世界8資産への分散投資
ROBOPROファンドは、世界の取引所に上場しているETF(上場投資信託)を通じて、以下の8つの資産クラスに実質的に分散投資します。
| 資産クラス | 投資ETF |
|---|---|
| 米国株式 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
| 先進国株式(米国除く) | バンガードFTSEディベロップド・マーケッツETF |
| 新興国株式 | バンガードFTSEエマージング・マーケッツETF |
| 米国債券 | バンガード・トータル債券市場ETF |
| ハイイールド債券 | iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF |
| 新興国債券 | iシェアーズJPモルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETF |
| 不動産 | iシェアーズ米国不動産ETF |
| 金 | SPDR Gold MiniShares Trust |
重要なのは、これら8資産への配分比率が固定されているわけではない点です。AIの予測に基づき、毎月配分比率の見直しが行われます。2026年1月末現在の構成比率は、米国株式44.1%・新興国債券35.6%・新興国株式17.9%・キャッシュ2.4%となっており、AIが米国株式と新興国への期待を高く評価していることが読み取れます。
豆知識: ETFとは?
ETF(Exchange Traded Fund)とは、株式市場に上場している投資信託のことです。特定の指数や資産に連動するよう設計されており、株式と同様にリアルタイムで売買できます。ROBOPROはバンガードやiシェアーズなど世界的に信頼性の高いETFを活用することで、低コストかつ効率的な分散投資を実現しています。
最新の運用状況と騰落率
設定来の基準価額の推移
2023年12月28日の設定以来、ROBOPROファンドは順調に成長を続けています。分配金再投資ベースの騰落率を見ると、設定来で+54.76%という高いパフォーマンスを達成しています。これは同期間の日本株や米国株と比較しても遜色ないリターンです。
ただし、直近1ヵ月(2025年12月末比)では▲0.64%とわずかに下落しています。これは1月にドル安・円高が進んだことが主な原因です。米国株式や新興国株式を含む多くの資産が現地通貨ベースでは上昇したものの、円換算すると下落してしまったという状況です。このように、為替の影響は外貨建て資産への投資では常に考慮が必要な要素です。なお、当ファンドは原則として為替ヘッジを行わない方針を採っています。
2026年1月のAI予測と運用経過
1月のファンドマネージャーコメントによると、AIの予測では米国株式・新興国株式・新興国債券への期待が相対的に高く維持されました。一方、米国債券やハイイールド債券については劣後する見通しが続いています。
この予測を受けて、米国株式と新興国債券の組み入れをやや減らし、新興国株式へ配分するという調整が行われました。結果として、やや攻めの姿勢を強めたポートフォリオとなりました。市場全体では米国とEU間の緊張緩和や中国経済指標の改善など、新興国にプラスの材料が重なった月でもありました。
参考: 各ETFの過去5年間のパフォーマンス(円換算ベース)
直近5年間で最も高いリターンを記録したのは「金」で+286.1%、次いで「米国株式」が+177.9%、「先進国株式」が+144.7%となっています。一方、「新興国株式」は+89.4%、「不動産」は+89.6%と比較的控えめな水準です。「米国債券」は+45.8%に留まっており、金利上昇局面での債券価格下落の影響が見て取れます。
リスクとリターンのバランス
日本株・米国株と比較したポジショニング
2020年1月から2026年1月末までのデータで、ROBOPROと日本株・米国株のリスク・リターンを比較すると、興味深い結果が見えてきます。ROBOPROのリターン(年率)は米国株には及ばないものの、リスク(年率の標準偏差)も低水準に抑えられており、効率的な運用を実現していることが確認できます。
さらに注目すべきは、ROBOPROと日本株または米国株を各50%ずつ組み合わせたシミュレーションです。この場合、単独の株式投資よりもリスクを抑えつつ、リターンを維持または改善できるという結果が示されています。これは分散投資の本質的な効果であり、ROBOPROを既存の株式投資のリスク分散として活用するという視点も非常に有効です。
投資する前に知っておきたいリスク
ROBOPROファンドへの投資には、主に以下のようなリスクが伴います。元本保証はなく、市場環境によっては損失が生じる可能性があります。具体的には、株価変動リスク・為替変動リスク・金利変動リスク・不動産投資信託証券のリスク・コモディティのリスクなどが挙げられます。また、信用リスクや流動性リスクなども考慮が必要です。
為替変動リスクについては特に注意が必要です。当ファンドは外貨建て資産に投資しており、為替ヘッジを行わないため、円高局面では基準価額が下落しやすい傾向があります。2026年1月のように円高が急進した場面では、現地通貨ベースで資産が上昇していても基準価額が下がることがあります。
費用の目安(投資家が負担する主なコスト)
購入時手数料の上限は3.3%(税込)です。また、運用管理費用(信託報酬)として年率1.562%(税込)が純資産総額に対してかかります。これは委託会社(年率0.80%)・販売会社(年率0.60%)・受託会社(年率0.02%)の合計です。ETFへの投資に伴う間接コストも別途発生します。コストを踏まえた上でのリターン評価が重要です。
NISAで活用するROBOPROファンド
ROBOPROファンドはNISAの成長投資枠の対象商品です。成長投資枠では年間240万円まで非課税で投資でき、最大1,200万円の非課税保有限度額が設定されています。長期投資を前提とした場合、配当や売却益にかかる約20%の税金がゼロになるNISAの活用は、実質的なリターンを大きく改善する可能性があります。
信託期間は2045年12月19日までと設定されており、長期にわたる資産形成を見据えた運用が可能です。また、分配金は毎年6月19日と12月19日の年2回を決算日として支払われます。設定来の分配金合計は700円(1万口当たり・税引前)となっています。
ROBOPROファンドはこんな人に向いている
ROBOPROファンドは、すべての人に適した商品ではありませんが、次のような方には特に検討の価値があります。まず、個別の銘柄選定に時間をかけたくないが、世界中に分散投資したい方にとって、AIが自動で資産配分を最適化してくれる点は大きなメリットです。また、長期的な資産形成を目指しながらも、リスクをある程度コントロールしたい方にも向いています。
一方、短期で大きなリターンを狙いたい方や、元本割れリスクを一切取りたくない方には向きません。また、信託報酬が年率1.562%とインデックスファンドと比較すると高めである点も、長期投資を考える上では無視できないコストです。コスト意識を持ちながら、AIによる機動的な資産配分というメリットを享受したい方が最も適切な投資家像といえるでしょう。
ROBOPROファンドのポイント
ROBOPROファンドは、AI(機械学習)が約1,000の特徴量を分析して月次で資産配分を見直す、世界8資産への分散投資型ファンドです。設定来騰落率は+54.76%(2026年1月末時点)、純資産総額は2,784億円超と規模も拡大しています。NISAの成長投資枠に対応しており、長期の資産形成ツールとして活用できます。ただし元本保証はなく、為替変動リスクや信託報酬コストを十分に理解した上で、自己責任のもとで判断することが重要です。

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