エンターテインメント業界に特化したM&A戦略で注目を集める株式会社GENDA(証券コード:9166)。2025年3月24日に開催された個人投資家向けIRセミナーでは、同社の常務取締役CFOである渡邊太樹氏が、GENDAの成長戦略やM&Aの成功要因について詳しく語りました。

よくゲームセンターに行き、UFOキャッチャーの人だかりが年々すごいと感じています。
本記事では、GENDAをわかりやすく解説し、GENDAのビジョンと戦略の全貌に迫ります。
GENDAの掲げるビジョンと成長戦略
2040年までに世界一のエンターテインメント企業へ
GENDAは、「2040年までに世界一のエンターテインメント企業を創る」という大志を掲げ、売上高、EBITDA、時価総額の3つの指標で世界一を目指しています。この目標達成のため、主にエンターテインメント業界に特化したM&Aを通じて、非連続的な成長を実現しています。
エンタメ業界に特化する理由
同社がエンターテインメント業界に特化する理由は、以下の通りです。
- 余暇時間の増加: 技術革新により人々の余暇時間が増え、エンタメ需要が拡大。
- 日本の強み: 世界に誇る日本のIPコンテンツを活用し、グローバル展開が可能。
- 長期的視点: 永続的なフリーキャッシュフローを生み出す産業として、持続的な成長が見込める。
豆知識: GENDAの創業者である片岡氏は、かつてイオンファンタジー社に在籍しており、エンタメ業界での豊富な経験を持っています。
コングロマリット戦略とシナジーの創出
コングロマリット・プレミアムの追求
一般的に、複数の事業を持つ企業は「コングロマリット・ディスカウント」として評価が下がる傾向があります。しかし、GENDAはこれを逆手に取り、以下の5つの要素で「コングロマリット・プレミアム」を創出しています。
- 資本構成の最適化: グループ全体で資金管理を行い、資本コストを削減。
- ボラティリティの抑制: 複数事業によるリスク分散で安定した収益を確保。
- グローバルIR活動: 世界中の投資家に向けた情報発信で資金調達力を強化。
- ブランド力の向上: グループ全体でのブランド構築により、認知度と信頼性を向上。
- PLのシナジー: 異業種間での協力により、売上と利益の最大化を図る。
迅速な意思決定とシナジーの具現化
GENDAでは、週1回の社長ミーティングと月1回の全社社長会議を通じて、迅速な意思決定とシナジーの創出を実現しています。これにより、各グループ会社が主体的に動き、相互に協力し合う体制が整っています。
豆知識: GENDAの行動指針の一つに「Speed is King(スピードこそが最優先)」があり、迅速な意思決定が企業文化として根付いています。
M&A戦略の成功要因と事例
国内外での成功事例
GENDAは、国内外で数多くのM&Aを成功させています。特に注目すべきは、以下の事例です。
- ゲームセンター事業: 国内でのM&Aにより、売上・利益ともに大幅な成長を実現。
- 米国NEN社の買収: 米国最大のゲームコーナー運営会社を買収し、売上が平均201%増加。
- カラオケ事業とのシナジー: カラオケBanBanとの連携により、店舗全体の売上が2倍に。
適切なM&Aの規律
GENDAは、M&Aを成功させるために以下の4つの規律を徹底しています。
- 適正な取得価格: キャッシュフローに基づいた評価で、過度なプレミアムを避ける。
- 資金調達の最適化: 株主資本の希薄化を防ぎつつ、適切なレバレッジを活用。
- PMIの徹底: 買収後の統合プロセスを重視し、シナジーを最大化。
- キャッシュEPSの最大化: のれん償却前当期純利益を重視し、株主価値の向上を図る。
GENDAのM&A戦略が示す未来
GENDAのエンターテインメント業界に特化したM&A戦略は、明確なビジョンと徹底した規律に支えられています。短期的な成長にとどまらず、中長期的な企業価値向上を見据えた取り組みは、今後も投資家や業界関係者からの注目を集めることでしょう。
エンタメという人々の心を動かす事業を軸に、GENDAはこれからもグローバルでの存在感を高めていくに違いありません。
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