ROBOPROの2025-11-28時点の月次レポートを見ると、資産配分が急激に変化していました。この資産構成を私は何度も読み直していました。
ROBOPROがなにを考えたのか、これからの市場の行方を読み解いています。

2025-11-28時点のROBOPROの資産配分
- 45.6% 米国株式(Vanguard Total Stock Market ETF)
- 38.7% 新興国債券(iShares J.P. Morgan USD Emerging Markets Bond ETF)
- 8.7% 新興国株式(Vanguard FTSE Emerging Markets ETF)
- 1.9% 米国不動産(iShares U.S. Real Estate ETF)
- 1.0% 米ドル建てハイイールド債券
- 0.6% 米国債券(Vanguard Total Bond Market ETF)
- 0.6% 金(SPDR Gold MiniShares Trust)
- 0.2% 先進国株式(Vanguard FTSE Developed Markets ETF)
この数字を並べるだけでも、防御的な配置ではないことは明らかです。キャッシュや国債、金といった緩衝材が極端に少なく、代わりに株式と新興国債券という価格変動の大きい資産が中心に据えられています。
ROBOPROが想定していた経済の方向性
急激な世界不況は前提にしていない
米国株式が45.6%という比率は、世界恐慌や金融危機のような事態を本気で想定していれば成立しません。この配分が示しているのは、景気減速の可能性は認識しつつも、連鎖的な崩壊や市場機能の停止までは織り込んでいないという判断です。
これは楽観とは異なります。破滅的シナリオの確率を低く評価した、という意味での現実的なリスク評価です。
米国金利はこれ以上厳しくならないという前提
米国債券の比率が0.6%にとどまっている点は重要です。金利上昇や金融引き締めが続くと判断していれば、通常は国債やキャッシュの比率が高まります。しかしROBOPROはその逆を選択しています。
これは、金利がさらに上がって経済を強く締め付ける局面よりも、横ばいから緩和方向に向かう可能性を高く見積もった結果と読み取れます。
新興国債券を38.7%保有する意味
新興国債券は高い利回りを得られる一方、信用リスクや価格変動リスクが大きい資産です。ROBOPROがこれを約40%も保有しているのは、利下げ局面に入った際に最も価格が伸びやすい領域を狙った結果です。
安全に利下げを待つのではなく、利下げが始まったときのリターン最大化を優先した選択であり、防御的とは言えません。
なぜ金と不動産を最小限にしたのか
金は金融不安やインフレ時の保険として機能しますが、ROBOPROは現時点を「守るべき局面」と判断していません。そのため金の比率は0.6%まで引き下げられています。これはリスクを取る姿勢の裏返しです。
不動産についても同様です。不動産は金利低下局面では有利ですが、高金利が続く間は重荷になります。ROBOPROは将来的な利下げの可能性を見つつも、現段階で大きく張るほどの確信は置いていないと考えられます。その結果、不動産は1.9%という控えめな位置にとどまりました。
この配置は安全運転ではない
キャッシュが少なく、国債が少なく、金も少ない。この3点が揃っている時点で、ROBOPROはかなりの攻めの姿勢です。
12月のポートフォリオはどう変わるのか、ROBOPROのレポートが楽しみです。

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