REITの投資信託は、SBI証券や楽天証券でも買付手数料なしで買える商品が多く、信託報酬もかなり下がりました。
10年以上前から何度も買おうとしては、パフォーマンスを見て諦めています。実際に不動産を買うか、REITにするほうがいいのか、ずっと迷っています。わが投資術の清原氏は、REITが出たときに買い増しをしていたという文章を読んで、あのときのタイミングだったのかと最近になって思っています。これだけ悩むなら、もう不動産を買ったほうが良かったかもしれないですね。
ところが、コストが安いことと、資産形成に向くことは別問題です。REITは仕組み上、金利と為替の影響を強く受けます。いまの局面で雑に組み入れると、値上がりもしないのに現金も入らないという、悪い投資になりがちです。
最安水準のREIT投信を前提にしつつ、どこが噛み合っていないのかを数字でほどき、どう使うなら筋が通るのかまで整理します。
REIT投信で得られるものは二つ
REITで投資家が期待する利益は、大きく二つです。ひとつは投資口価格の上昇で、もうひとつは分配金です。REITはもともと分配金が売りの資産ですが、投資信託になると話が少し変わります。多くのインデックス型投信は分配金を出さず、ファンド内部で再投資します。つまり投資家の手元に現金は来ません。
重要なのは、再投資が自動で回るなら基準価額が育つはずなのに、実際には基準価額が伸びにくい局面がある点です。
豆知識REITの利回りは高いのに儲からないと感じるとき、だいたいは分配金が悪いのではなく、金利上昇で投資口価格が下がり、その下落が分配金の効果を上回っています。投信だと現金を受け取れないため、なおさら実感が湧きません。
信託報酬コストは確かに安い
国内REITの代表例として、信託報酬が年率0.2パーセントを切る水準の商品があります。数字だけを見ると、十分に低コストです。ただし、0.01ポイントや0.03ポイントの差は、年率で見れば数千円規模に収まることが多く、実際の不動産購入を考えれば問題にならない誤差です。
過去の成績が弱い理由は資産の良し悪しより金利
国内REITは、株式と比べると相対的に見劣りしやすい時期がありました。
REITが劣るのは、金利で不利になりやすい点です。株は業績と成長期待で押し上げられる余地がある一方、REITは利回りの調整圧力を受けやすいです。
とくに、2026年の今のように長期金利が上がる局面では、投資家が求める利回りの水準が切り上がります。REITは分配がある資産なので、利回りの高さが魅力になります。しかし無リスクに近い国債の利回りが上がると、同じ分配利回りでは魅力が薄れ、より高い利回りが求められます。その結果、価格の上値が重くなりやすいです。
金利上昇がREITに効く仕組み
REITの評価でよく出てくるのが、国債利回りとの差です。差が広いほど相対的に魅力がある、という見方です。ところが国債利回りが上がると、この差を保つためにREIT側にもより高い利回りが求められます。
しかし、5年以上前のゼロ金利時代にREITが良かったかというと、良かった記憶はありません。
分配金は賃料改定や稼働率改善を通じて増えますが、契約更新のタイムラグがあります。金利が短期間で上がると、賃料収入の伸びは後追いになりやすく、先に価格調整が起きやすいです。つまり、金利上昇局面では、分配があるのに値下がりするという違和感が発生しやすいです。
NAV1倍割れは万能な買いサインではない
割安に見える状態が長く続くことがあるのがREITです。金利が上がり、投資家が求める利回りの水準が切り上がると、過去の見え方がそのまま通用しない場面が出ます。不動産の鑑定評価が金利上昇を後追いで織り込むなら、先に価格が下がり、後からNAVが追いかける形にもなります。
この形になると、NAV1倍割れが是正されない期間が伸びます。
海外REITは逃げ道になりにくい
海外REITなら成長する、という期待もありますが、円建て投資では為替が大きく効きます。現地の不動産が上がっても、円高が進めば円建てリターンは削られます。為替は予測が難しく、読み違えると現地の上昇を相殺しやすいです。
また海外REITも金利に敏感です。利下げが追い風になる場面はありますが、利下げ局面は同時に為替が動きやすく、円建てでは結果が見えにくくなります。結局、株式インデックスのように長期で持てば分かりやすく増える、という感覚とはズレやすいです。
それでもREIT投信を使うなら・・・
私がREITを買うメリットを感じない理由が上記でした。これでいつまで経っても買えないのです。
- 目的が現金収入なら、無分配の投信ではなく、分配が出る商品を選ぶ
- 目的が分散なら、株式の代替ではなく補助として小さく持つ
- 金利上昇が強い局面では主力にしない
REITは景気と金利の組み合わせで顔が変わる資産です。10年以上もREITの局面を見ているので、上向きを感じるところまで待つことにします。

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